Updated by 『森林循環経済』編集部 on July 09, 2025, 6:40 PM JST
Editorial Board, Forest Circular Economy
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We aim to realize "Vision 2050: Japan Shines, Forest Circular Economy" promoted by the Platinum Forest Industry Initiative. We will disseminate ideas and initiatives to promote biomass chemistry, realize woody and lumbery communities, and encourage innovation in the forestry industry in order to fully utilize forest resources to decarbonize the economy, strengthen economic security, and create local communities.
日揮ホールディングス、東京都、全日本空輸、日本航空の4者はこのほど、廃食用油を原料の一部とする国産SAF(持続可能な航空燃料)を、東京国際空港(羽田空港)発の定期旅客便へ供給開始したと共同で発表した。取組を通じて持続可能な航空燃料の利用を拡大し、国内の資源循環と航空業界の脱炭素化の促進を目指す。
日揮ホールディングスが提唱する「Fry to Fly Project」の一環として、家庭や店舗で発生する廃食用油を原料とした国産SAFで航空機が飛ぶ世界の実現を目指す。
国産SAFの普及には原料となる廃食用油の安定確保が課題であり、その解決に向けて官民連携の取り組みが進む。日揮ホールディングスおよび東京都は、2024年3月から「東京 油で空飛ぶ 大作戦 Tokyo Fry to Fly Project」を開始。さらに2025年5月からは「家庭の油 回収キャンペーン」を展開し、廃食用油の回収を促進するとともに、都民の行動変容を促している。また、東京都は国産SAFと海外産SAFの価格差を助成する「国産SAF利用促進事業」を全国で初めて開始するなど、積極的な活動を展開している。
国際競争力のある国産SAFの製造は、CO2削減や新たな成長産業の創出、エネルギー安全保障の強化につながる。今回の供給開始は、国内における原料調達から製造、空港での給油に至る一貫したサプライチェーン構築に向けた具体的な一歩であり、日本が目指す資源循環型社会の構築に向けた重要なマイルストーンとなる。