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Innovation in Material Production Learning from Austrian Forestry: 2] "Roadside Forestry," which reduces logging costs by reducing the density of forest roads to three times that of Japan233

Updated by 『森林循環経済』編集部 on February 04, 2026, 8:08 PM JST

Editorial Board, Forest Circular Economy

Forestcircularity-editor

We aim to realize "Vision 2050: Japan Shines, Forest Circular Economy" promoted by the Platinum Forest Industry Initiative. We will disseminate ideas and initiatives to promote biomass chemistry, realize woody and lumbery communities, and encourage innovation in the forestry industry in order to fully utilize forest resources to decarbonize the economy, strengthen economic security, and create local communities.

※前回の記事はこちら
Learning from Austrian Forestry: Innovation in Material Production (1) Price Competitiveness Born from Sawmill Monopolization and High-Speed Production

日本の伐出コスト課題とイノベーションの必要性

日本の林業の素材生産現場において、長年の課題となっているのが生産性の向上とコストの抑制だが、現状は厳しい。森林総合研究所の久保山裕史氏が提示したデータによれば、2021年主伐で伐出システムのコストは6,248円/立方メートルとなっている。生産性向上率は年率2〜4%程度で推移してきたが、近年の労賃上昇がその効果を相殺しており、コストは下げ止まりの傾向にあるのが実態だ。

久保山氏は「労働者の賃金や雇用環境を抜本的に改善し担い手を確保するためには、従来の延長線上にある向上率をはるかに超える、プロセス・イノベーション(技術革新)が必要」と強調する。現場の仕組みそのものを再設計する「攻めの姿勢」が求められている。

Source: Mr. Hiroshi Kuboyama

ヘクタールあたりの素材生産量は日本の約1.7倍

素材生産の効率を決定づけるのは、伐採技術そのものよりも、インフラとしての「道」の充実である。オーストリアは北海道より高緯度に位置する山岳国家であり、決して平坦な地形ばかりではない。しかし、素材生産量は5.8立方メートル/haと、日本の3.4立方メートル/haに対して約1.7倍という差をつけている。

この高い生産能力を支える前提条件が林道密度である。オーストリアの林道密度は45m/haであり、日本の14m/haと比較して約3倍に達する。さらに注目すべきは、大型トラックが通行する主要な林道とは別に、トラクターなどが走行するための「森林作業道」も別途45m/ha整備されている点だ。この合計90m/haに及ぶ高密度な道網によって、山林から効率的に木材を搬出できる環境が整っている。

Source: Mr. Hiroshi Kuboyama

高性能林業機械や農林兼用トラクターの活用

高密度な道網の恩恵を最も受けているのがトラクターやスキッダによる地引集材で、オーストリアの全伐出量の38%を占める。これは農林兼用トラクターの普及により、3,840〜5,760円/立方メートルという低い伐出コストを実現している。農家が所有するトラクターを冬場にも活用し、作業道のすぐ近くで伐倒・集材を行うこのスタイルは、まさに「道端林業」と呼ぶべき合理性を備えている。

高性能林業機械の活用においても、オーストリアの数値は日本の水準を大きく上回る。伐倒の21%を担うハーベスタの労働生産性は30〜60立方メートル/人・日に達し、日本平均(7.7立方メートル)の数倍の効率を見せている。コスト面でも2,560〜4,000円/立方メートルと低く、フォワーダと組み合わせたオペレーター2名での生産体制が一般化している。山林内の移動距離を道の整備によって極限まで短縮し、機械の稼働時間を最大化する設計が、日本との差を生み出している。

タワーヤーダと最新技術を融合し急傾斜地にも対応

急峻な山岳地帯を抱える日本は、オーストリアの傾斜地対策も参考にしたい。日本では架設に4〜5日を要し、コストが7,114円/立方メートル(2013年)もかかる架線集材が、オーストリアでは効率化されている。トラックの荷台やトラクターのアタッチメントとしてタワーを架装することで、架線の設置はわずか半日に短縮され、伐出コストは3,840〜6,560円/立方メートルと、日本の伐出コストよりも抑えられている。

Source: Mr. Hiroshi Kuboyama

さらに、近年の技術革新である『ウィンチアシスト』が、車両系機械による作業域を劇的に拡大させている。これは、強力なケーブルで車体を保持・牽引することで、従来は架線に頼らざるを得なかった30度を超える急傾斜地でも、ハーベスタやフォワーダの運用を可能にする技術だ。久保山氏は、こうした最新技術を適材適所に配置し、地形的制約を克服していくことが、林業労働者に高い賃金を支払いながら低コスト生産を維持するための不可欠な手段であると力説する。

持続可能な林業サイクルへの還元

オーストリアが実現した素材生産革新の本質は、高い林道密度という強固なインフラを土台に、高性能な機械化を突き詰めた「現場の徹底した合理化」にある。この効率化によって生まれた利益は、森林所有者に「高い立木価格」として還元される仕組みになっている。実際にオーストリアでは、低い伐出コストを背景に森林所有者の伐採意欲が高く、連年成長量の約89%が活用されるという、旺盛な資源循環が確立されている。久保山氏は「高い林業収入が所有者の手元に残ることこそが、持続可能な林業の鍵である」と断言する。=続く

Yushi Kuboyama's columnthis way (direction close to the speaker or towards the speaker)

■Reference Books
Wood Science Lecture 10: Biomass (Kaiseisha)
Forest Future Conference (Tsukiji Shokan)
Forest Products (Kyoritsu Publishing)

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