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Forest Circular Economy, edited by Hiroshi Komiyama, is a vision for the year 2050: Rebuilding Japan as a resource-rich nation will start with its forests.090

Updated by 『森林循環経済』編集部 on July 25, 2025, 6:45 PM JST

Editorial Board, Forest Circular Economy

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We aim to realize "Vision 2050: Japan Shines, Forest Circular Economy" promoted by the Platinum Forest Industry Initiative. We will disseminate ideas and initiatives to promote biomass chemistry, realize woody and lumbery communities, and encourage innovation in the forestry industry in order to fully utilize forest resources to decarbonize the economy, strengthen economic security, and create local communities.

日本がいま直面する国家的課題ー2050年カーボンニュートラル、地域の持続可能性、そして資源自給の確立。これらに共通して必要なのが、「循環」に基づく社会の再設計です。その鍵を「森」に見出しているのが、小宮山宏編著による新刊『森林循環経済』(平凡社)です。本書は一般社団法人プラチナ構想ネットワーク「プラチナ森林産業イニシアティブ」が策定した「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」をもとに、森林資源を経済・産業・地域・政策の中心に据え、「伐って、使って、植えて、育てる」循環の再構築を通じて、日本を「資源自給国家」として再生するビジョンを描いています。

三つの柱で築く、新たな循環社会

本書で提唱するのは、森林を起点とした全く新しい循環型社会の構築です。その実現に向けた三つの柱として、「バイオマス化学への転換」「木造都市の形成」「林業の革新」を掲げています。具体的には「化学産業における化石資源のゼロ化」「9階建て以下建築物の木質化・木造化」「従来から3倍の面積を主伐・再造林」を目指します。

これらの取り組みを通じて、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林資源の循環と再生を繰り返す仕組みを作り出すことで、2050年に向けた脱炭素社会の達成とともに、地方創生と日本が資源自給国家へと生まれ変わるための道筋を明確に示しています。

社会実装に向けた事例も満載

本書は単なる理論にとどまらず、各章では業界の最前線にいる企業による取り組みを交えながら、構想と実践をつなげています。

第1章では、日本の森林が支える循環社会の全体像が概観され、二酸化炭素固定の観点から日本の木・森林の役割について問題提起しています。

第2章から第4章では、「バイオマス化学」「木造都市」「林業」の三つの重要領域について、それぞれの課題と革新の可能性が詳細に解説され、各分野を牽引する企業の具体的な取り組み事例や専門家へのインタビューが収録されています。

第5章では、プラチナ森林産業イニシアティブが掲げる「森林資源のフル活用」により実現する2050年の未来の姿が具体的に提示され、巻末には京都大学大学院農学研究科教授の立花敏氏と編著者・小宮山宏による特別対談が収録されています。単なる経済論にとどまらず、森林と日本人との深い関わりを問い直す内容となっています。

森と木を未来につなげたいすべての人に

本書は、日本の森林が抱える課題と、その秘めた可能性を問い直すと同時に、「森林を使うことで守る」社会への転換を後押しする提言書です。森と木を未来につなげたいすべての人に、行動の指針と着想を与えてくれる一冊です。

【ビジネスパーソンへ】
カーボンニュートラルや森林クレジット、木材を活用したサステナブル建築、バイオマス化学など、次代の市場を切り拓くヒントが満載。脱炭素と経済性を両立させる事業戦略の一助となるでしょう。

【研究者へ】
バイオマス資源の高度利用、都市木造化、林業の革新に関する構想と事例が網羅され、応用研究や社会実装を見据えた実務的資料としても活用できます。森林を起点とした社会設計への俯瞰的視野が得られます。

【行政・政策担当者へ】
森林環境税、木材利用促進、脱炭素都市づくりなどに関連する政策設計の視座が得られます。「伐って、使って、植えて、育てる」という資源循環の視点は、持続可能な地域施策や制度づくりに有用です。

8月5日発刊、Amazonで予約受付中!

  • 『森林循環経済』
  • 編著者:小宮山宏(一般社団法人プラチナ構想ネットワーク会長)
  • 出版社:平凡社
  • 判型・ページ数:A5判、176ページ
  • 定価: 1,980円(本体1,800円+税)
  • 刊行日:2025年8月5日
  • 販売:全国の書店およびネット書店
  • Amazonで見る

<目次>
第1章 日本の森林が支える循環社会
第2章 森林循環経済論(1)バイオマス化学の可能性
コラム:
・バイオマス資源を核に、企業と社会の大変革を(阿尻雅文)
・瀬戸内から、2050年のCNを目指す(株式会社トクヤマ)
・森から始まる、ものづくりと公益的価値(王子ホールディングス株式会社)
第3章 森林循環経済論(2)新しいまちのかたち──木造都市
コラム:
・「木造都市(R)」を全国につくる!(株式会社シェルター)
・ウッドサイクルの充実で目指す林業の再生(住友林業株式会社)
・森林と都市、そのあいだをつなぐ構想力(株式会社大林組)
第4章 森林循環経済論(3)森林・林業の革新に向けて
コラム:
・出発点としての山林、その経営と課題(小林靖尚)
・資源活用、効率化、環境そしてDXへ(アジア航測株式会社)
第5章 森林資源フル活用の未来
特別対談 立花敏 × 小宮山宏
経済としても成り立つ「森林文化」をつくるために

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