[Wooden apartment awareness survey: 4] People want to incorporate wood into relaxing spaces like living rooms and bedrooms
Updated by 滝澤悠太 on July 29, 2025, 5:22 PM JST
Yuta TAKIZAWA
(Platinum Initiative Network, Inc.
Joined Nagano Prefectural Government in 2019. He is in charge of public works bidding and contract administration at the construction office, welfare for the disabled and public assistance caseworker at the welfare office, and is currently on secondment to Platinum Initiative Network from 2024.
生活者アンケートを活用した木造マンションに関する意識調査の第4弾では、「住宅の中で木材の取り入れを期待する空間」に焦点を当てる。
前々回の記事では、木造マンションが鉄筋コンクリート造(以下「RC造」)のマンションと比較して、価格(家賃)がどの程度であれば、購入(賃貸)の検討対象になるか調査した結果を紹介した。そこで「RC造より安くても検討しない」と回答した者を除く900人弱から「住宅の中で特に木材が取り入れられるといいと思う部屋や場所」について、調査し回答を得た。結果は図のとおりである。
本調査では、889名から延べ3075件の回答が得られ、住宅内で木材の使用が望まれる場所として、リビング(76.6%)と寝室(63.2%)が特に高い支持を得た。この結果は、木材の持つ温かみや安らぎ、快適性が、長時間過ごす生活空間において評価されていることを示している。
また、ダイニング(41.8%)や書斎・仕事部屋(28.1%)、子ども部屋(26.3%)といった、家族や個人が過ごす空間にも一定の関心が寄せられており、日常的な居住空間全般に木材が好まれている傾向が見て取れる。
一方、キッチン(20.8%)や洗面所・トイレ(13.3%)などの水回り空間では、木材使用への慎重な意識があることがうかがえる。また、外部空間であるウッドデッキ(25.3%)やベランダ(13.8%)も一定の需要があり、屋外の快適空間づくりにも木材が選ばれている。
さらに、「あてはまるものはない」と回答した割合は約6.9%にとどまり、全体の93%以上(「RC造より安くても検討しない」と回答した者を含めても86%以上)が住宅のどこかに木材を取り入れたいと考えていることから、木材への好意的な認識が広く浸透していることが示されている。
調査結果からは、木材は特にリビングや寝室といった、くつろぎや安らぎを求める空間で高く支持されており、これらの空間への活用が効果的であることが示された。また、書斎や子ども部屋など、集中や安心感が求められる空間にも一定のニーズが見られ、用途に応じた提案の可能性がある。一方で、キッチンや洗面所などの水回り空間では支持がやや低く、木材利用に際しては防湿・防腐などの配慮が求められる。また、ウッドデッキやベランダといった屋外空間でも木材の需要は一定数あり、デザイン性や居心地の向上に寄与する素材としての活用が期待される。
全体として、木材の利用に対する心理的抵抗は少なく、住宅空間における自然素材への関心が高いことがうかがえる。今後は、生活空間の性質や用途に応じた木材活用の提案が求められる。(プラチナ構想ネットワーク 滝澤悠太)