Updated by 『森林循環経済』編集部 on April 20, 2026, 5:51 PM JST
Editorial Board, Forest Circular Economy
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We aim to realize "Vision 2050: Japan Shines, Forest Circular Economy" promoted by the Platinum Forest Industry Initiative. We will disseminate ideas and initiatives to promote biomass chemistry, realize woody and lumbery communities, and encourage innovation in the forestry industry in order to fully utilize forest resources to decarbonize the economy, strengthen economic security, and create local communities.
森林由来J-クレジットを巡る動きは、創出手法の確立から、実社会での具体的な「需要創出」へと局面が移りつつある。エネルギー企業による戦略的購入、地域金融機関による法人向け商品の開発、観光分野でのオフセット活用など、需要側の具体的な取り組みが相次いでいる。これらは、森林整備の資金循環を生み出すだけでなく、地方創生や企業のGX(グリーントランスフォーメーション)を直結させる鍵として、新たな経済価値を創出している。
大分県とENEOSは、県営林から創出された森林由来J-クレジットの売買に関する協定を3月27日に締結した。大分製油所を擁するENEOSは大分県が創出したクレジットを購入し、自社のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みに活用する。クレジットの売却益を県内の森林整備や林業振興に再投資するサイクルが構築されており、エネルギー企業が地域の森林資源循環を支援するこの構図は、地産地消型の脱炭素モデルとして注目される。

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大分県県営林J-クレジット売買協定の締結について | 大分県
大分県県営林J-クレジット売買協定の締結について~大分県内での森林由来のJ-クレジットの活用を加速します~ | ENEOS株式会社
バイウィルとあいち銀行が連携して構築した「あいぎん J-クレジット定期預金」が、募集総額100億円に対し108億円の預入があり早期完売となった。この商品は、預入を通じて東海エリアの森林由来J-クレジットによるカーボン・オフセットが付与される仕組みで、法人の環境価値に対する高い関心を捉えた。バイウィルがクレジット調達やスキームの構築を支援し、銀行が販売を担うこのモデルの成功は、J-クレジットが企業間取引にとどまらず、地域の金融商品としても高いポテンシャルを持つことを示している。
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バイウィル、あいち銀行と連携して構築した「あいぎん J-クレジット定期預金」が募集総額到達により早期完売 | 株式会社バイウィル
「あいぎん J-クレジット定期預金」募集総額到達による受付終了について | 株式会社あいち銀行
クレアトゥラは、東京チェンソーズが所有する東京都檜原村の人工林において都内初となる森林由来J-クレジットの創出および認証を完了した。今回の実証の特徴は、東京都が公開する航空レーザー測量データやオルソ画像などのオープンデータを活用し、従来の手法に比べて大幅な効率化を実現した点にある。広大な森林の樹高測定などの現況調査をデジタルデータで代替することで創出コストの抑制と精度向上の両立を図った。この省力化モデルの実証は、都市近郊の森林管理や他自治体でのクレジット創出を加速させる事例として期待される。
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東京都の人工林で初となる森林由来J-クレジットを創出~東京都提供の航空レーザー測量データを活用した効率的なJ-クレジット創出モデルの実証~ | クレアトゥラ株式会社
広島県の世羅郡森林組合と日立システムズは、カーボンクレジット創出のための協創プロジェクトを開始した。データ分析技術と森林整備の知見を組み合わせ、航空レーザー測量データなどを活用して現場の負荷軽減を図りながら、森林整備計画の立案やクレジットの創出・販売に向けた取り組みを進める。創出されたクレジットは中国地方の企業に販売して地産地消による地域の脱炭素化を後押しするほか、全国の企業にも提供される予定だ。地域の森林が持つ環境価値を効率的に可視化し、収益を森林整備に還元する持続可能な森林経営のモデル構築を目指す。

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日立システムズと世羅郡森林組合がカーボンクレジット創出のための協創を開始 | 株式会社日立システムズ
JR東日本びゅうツーリズム&セールスは、東日本エリアの森林に由来するJ-クレジット167t-CO2を購入し、2025年度上期分の団体型旅行商品に伴う排出量のカーボン・オフセットを実施した。今回のオフセットにより、同社の累計オフセット量は1,149t-CO2に達した。旅行事業を通じて地域の自然資源と深く関わる同社が、クレジット購入を通じて森林整備を経済的に支援するこの取り組みは、持続可能な観光(サステナブルツーリズム)を象徴する循環モデルといえる。
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東日本エリアの森林に由来するJ-クレジット167t-CO₂を購入し、カーボン・オフセットを実施しました | 株式会社JR東日本びゅうツーリズム&セールス