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Local National Universities Become Hubs for Social Implementation - Facing Local Issues with Data and Practice301

Regional national universities become hubs for social implementation — addressing local challenges with data and practical experience

Updated by 小宮山 宏 on May 22, 2026, 7:04 PM JST

Hiroshi Komiyama

Hiroshi KOMIYAMA

(Platinum Initiative Network, Inc.

After serving as Professor at the University of Tokyo, Dean of the Graduate School of Engineering and Dean of the Faculty of Engineering, and President of the University of Tokyo (28th), he was appointed Chairman of the Mitsubishi Research Institute in 2009, and Chairman of the Platinum Initiative Network in 2010 (to be incorporated as a general incorporated association in 2022). Other positions include President of the STS Forum, Chairman of the Association for Super-Education, Chairman of the United Nations University Cooperation Foundation, Chairman of the International Science and Technology Foundation, and Chairman of the Heat Pump and Thermal Storage Center Foundation. He also received the Dubai Knowledge Award (2017), the Order of the Star of Solidarity of Italy (2007.) and "Information and Communication Month" Commendation from the Minister of Internal Affairs and Communications (2014), the Zaikai Award Special Prize (2016), and the Commendation for Merit in Promoting a Maritime Nation (2016), among many other national and international awards.

岡山市で3月に開催された日経地方創生フォーラム「木造のまちづくりを創出し、森林循環経済を実現する」に登壇し、産官学金のトップが結集して社会実装に向き合う熱気を肌で感じました。激動の時代において、これからの地方国立大学に求められる使命は、地域社会の課題を解決する「社会実装のハブ」となることです。森林循環経済という壮大なビジョンを教育や人材育成に落とし込んでいる岡山大学の実践こそが、その確かなモデルとなります。

社会から頼られる大学に

大学の役割とは何でしょうか。私が文科省・JSTの「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の責任者を10年間務めた際、「社会実装を評価軸にする」という方針を貫き、地方大学などのチャレンジを強く後押ししました。大学の自治は天から与えられたものではなく、社会が納得して初めて成り立つものです。社会が困ったときに、知識としての大学に頼るという構造が実態として動いて初めて、大学の存在意義は成り立ちます。地方の国立大学が生き残る道は、地元から信頼される大学になることなのです。

北大と弘前大が示す地域密着モデル

地方大学と地域社会が信頼で結びつき、どれほどのインパクトが出るのか。具体的な数字でお話ししましょう。

北海道大学は岩見沢市と連携し、妊婦のパーソナルデータを蓄積・解析・利活用するプロジェクトを実施しました。データに基づくパーソナライズされたケアを徹底した結果、低出生体重児(2500グラム未満)の割合を、2015年からの4年間で10.4%から6.3%まで減らしました。

弘前大学は、20年間にわたり地元住民から蓄積した「1人当たり約3000項目」という膨大な健康ビッグデータを活用し、3年後の糖尿病などの発症を高い精度で予測することに成功。企業から24もの共同研究講座も集まりました。地域課題を解決する実績を作ることで地域社会から信頼を得て、結果として民間からの資金が集まる。これこそが大学の理想像です。

「木造のまちづくり」を技術とデータで後押しする岡山大学

そして先日のフォーラムで私が最も期待を感じたのは、岡山大学が「木造のまちづくり・森林循環経済」の社会実装に、プレーヤーとして動き出していることです。

岡山で都市の木造化を進め、地元の木材需要を創出する上で大きな壁となるのが、木材の強度と耐火性を確保するためのコストと手間です。これに対し岡山大学は、万博の大屋根リングで7割のCLTを供給した実績を持つ地元企業の銘建工業と連携し、木だけで燃え止まる「純木質耐火構造」の実用化研究を進めています。 さらに、川下企業のライフデザイン・カバヤと共同で、木造建築のプレカットデータから部材の樹種や寸法、コストをデータベース化する取り組みも進めています。川下の需要をデジタルで「見える化」し、森林産業のサプライチェーンを繋ごうとしているのです。

Source: Okayama University

また、林業地である真庭市では、2024年に閉校した旧岡山県立真庭高校久世校地の農業実習棟の一部を整備し、サテライトキャンパスを2025年に設置しました。ここではグリーンイノベーションセンター長を務める理事・副学長も参画し、社会実装を進める体制が組まれています。さらにこのキャンパスは、建築関係者向けのリカレント教育や、生ごみを液体肥料に再生するSDGs教育など、若者や地域住民を巻き込む交流拠点としての機能も担っているのです。

国際的な知名度は高くなくとも、地元から信頼される国立大学が技術開発・データ活用・人材育成のハブとなり、地域課題の解決を牽引できます。その実践が岡山にあります。全国の国立大学がこのモデルに学ぶことが、日本の地域再生への確かな一歩となるはずです。(プラチナ構想ネットワーク会長・『森林循環経済』名誉編集長 小宮山宏)

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*Reference link
岡山大学 グリーンイノベーションセンター

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