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1万点超の木材情報を統合し、見積もり瞬時に 森未来が社内データベースで実現009

Updated by 『森林循環経済』編集部 on April 16, 2025, 1:36 PM JST

『森林循環経済』編集部

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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

森林・林業・木材に関するITビジネスを展開する森未来は、1万点を超える木材情報を統合・構造化した総合木材データベースの社内運用をこのほど開始した。内装材を中心に、森林認証材や各地の地域材を含む1万点超の木材情報を収録し、仕様・価格・納期などの情報を、担当者が即時に参照し見積もり可能な形で整備している。

統一仕様で横断的に比較・検索可能に

このデータベースの最大の特徴は、スペックや単位、表記方法を標準化し、検索や価格比較の精度とスピードを飛躍的に向上させた点にある。たとえば、立米・平米といった単位が統一され、異なるサプライヤーの情報も横断的に比較可能となっており、同一スペックの中でより安価な製品や納期の短い製品を即座に提示できる。これにより、営業・調達担当者が見積もりに要していた平均3日程度の業務を、その場で完了できる体制が整った。

加えて、情報の鮮度を保つため、パートナー企業との定期的な情報更新を仕組み化しており、流通市場の実態とリアルタイムで連動した情報管理が可能となっている。見積もりや提案がタイムリーかつ正確になることで、顧客への対応力や競争力の強化にも直結している。

業界全体への貢献も視野に

森未来が推進する「All Wood Database構想(AWD)」は、森林・林業・木材分野のあらゆる情報を網羅する統合データベースの実現を目指している。その第一段階として今回開発された木材データベースは、社内利用を起点としながらも、将来的には木材産業全体の発展に寄与することを目指し、業界内での連携やより広範な活用も視野に入れている。

森未来は今後、AIや分析ツールの活用も視野に入れ、サプライチェーンの効率化やトレーサビリティのさらなる可視化などを通じ、持続可能な森林資源の活用へつなげることを構想している。今回の木材データベース導入は、そのための基礎的インフラ整備であり、業界全体の情報流通におけるDXを後押しすることが期待される。

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