Updated by 『森林循環経済』編集部 on May 16, 2025, 10:00 AM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
コニカミノルタジャパンは、和歌山県田辺市を拠点に森づくりに取り組むソマノベースの「戻り苗」を導入し、全支社の社員が約200本の苗木を育てる取り組みを5月からスタートした。「戻り苗」は、地域で拾ったどんぐりから苗木を育て、再びその地域の山へ植林するという循環型の森林再生モデルだ。
地域の植生の特性に合った苗を戻すことで、根付きやすく、環境に適応した持続的な森づくりが可能になる。「戻り苗」は単なる植林ではなく、地域の生態系と調和した森林再生への取り組みとして注目されている。
今回の導入は、企業が森づくりのプロセスに実質的に関与する新しいモデルともいえる。コニカミノルタジャパンの参画は、企業活動が地域環境や社会課題の解決と結びつく事例となる。社員がオフィスでの苗木育成や植林に関わる機会を持つことで、環境意識の向上や、サステナビリティを重視する企業風土の形成にもつながる。
ソマノベースは「土砂災害の人的被害をゼロにする」ことを使命に掲げ、災害に強い森づくりを推進している。根を張った樹木は土壌の保持力を高め、斜面崩壊のリスクを低減する。防災という観点からも、こうした地に根差した植林モデルの価値は高まっている。