• 執筆者一覧Contributors
  • ニューズレター登録Newsletter

岩手県産の少花粉スギで森林再生と花粉症対策 花巻でタケエイ林業社員と地元住民が植樹祭064

Updated by 『森林循環経済』編集部 on June 20, 2025, 10:00 AM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

タケエイ林業はこのほど、岩手県花巻市内の社有林の皆伐跡地で、第2回植樹祭を開催した。同社社員が県内産の少花粉スギの苗木150本を植樹し、花巻市森林組合、自治体関係者、県立高校生徒、地元企業社員らはオオヤマザクラの苗17本を記念樹として植えた。

地域ぐるみで森林管理を推進

植樹された少花粉スギは、伐採適齢期は通常のスギと同様で約60年だが、花粉の飛散量が一般的なスギの半分程度とされている。現在、岩手県内における少花粉スギ苗木の生産は限定的だが、今後の普及拡大により、森林整備と将来的な花粉症対策の一助となることが期待される。

植樹祭は、岩手県産材の普及や林地残材の活用、再造林の促進などを目指し、花巻市森林組合と共同で2024年度に開始された。今回の植樹祭には、岩手県県南広域振興局農政部花巻農林振興センター、花巻市農林部、岩手県森林組合連合会、公益財団法人岩手県林業労働対策基金など、行政機関や林業団体が参加。また、岩手県立花巻農業高校2年生、花巻市大沢地内地元山林所有者、山愛緑化、渡温泉ホテルさつき・別邸楓といった地域関係者も加わり、森林づくりに取り組んだ。

単なる企業の植樹活動に留まらず、地域住民と一体となって地元産の苗木を植樹することは、森林への理解を深め、次世代の林業の担い手を育てる教育的な側面も持ち合わせる。

タケエイ林業は、新たな社有林の取得も進めている。企業が地域と積極的に連携する森林整備の広がりは、環境保全へ貢献すると同時に、地域に根差した森林資源の循環促進と地域社会の活性化につながる。地域ぐるみによる持続可能な森林管理は、モデルケースとして全国各地の森林の維持管理に新たな視点をもたらすことが期待される。

Tags
森林循環経済 Newsletter
ニューズレター(メルマガ)「森林循環経済」の購読はこちらから(無料)
JA
『森林循環経済』創刊記念ウェビナー(Webinar)「森林循環で創出する未来」