• 執筆者一覧Contributors
  • ニューズレター登録Newsletter

ヒノキパウダーを活かした納豆が誕生 森・人・土がつながる循環モデル096

Updated by 『森林循環経済』編集部 on July 11, 2025, 12:23 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

木浴施設などを展開するFlavorは、天然無垢ヒノキに棲む天然納豆菌のみで発酵させた「えん天然ひのき納豆」を7月10日の「納豆の日」に発売した。同社のスパ施設で使用されたヒノキパウダーから作った堆肥で国産在来種の大豆を栽培し、その大豆をヒノキ由来の菌で発酵させることで、食の循環サイクルを実現した。同社によるとヒノキの天然納豆菌のみで発酵させた納豆は世界初だという。

吉野ヒノキに生息する天然の納豆菌のみで発酵

原材料の大豆は、奈良県明日香村の「ポニーの里ファーム」で自然栽培された国産在来種「みずくぐり」だ。肥料には、Flavorが運営する温浴施設「えん発酵温熱木浴(R)」で使用した「吉野中央木材」のヒノキカンナ屑を原料とする「循環型発酵堆肥」だけを使用している。

納豆の製造を担当するのは、大阪の「らくだ坂納豆工房」だ。従来の納豆は稲わらから採取された納豆菌を使うのに対し、本製品は無垢の吉野ヒノキに生息する天然の納豆菌のみで発酵させる。パッケージは明治元年創業の「箱屋常吉」が手掛ける杉の木箱を採用した。単なる食品ではなく、職人の技と想い、人と人のつながり、そして循環の思想が結晶した製品となっている。

木浴施設で使用したヒノキパウダーを植物性100%の堆肥に変え、大豆や野菜、米づくりなどに活用する試みは「自然のものは土に還る」という原点を体現している。単なるリサイクルではなく、日本の森林と農業がもたらす恵み、そして伝統技術が融合した新たな循環モデルの可能性を示している。

Tags
森林循環経済 Newsletter
ニューズレター(メルマガ)「森林循環経済」の購読はこちらから(無料)
JA