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ナラ枯れ被害木を「さすてなベンチ」として活用 観光地の白馬で森林資源の新たな循環型リサイクルを構築124

Updated by 『森林循環経済』編集部 on August 13, 2025, 11:56 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

日本スキー場開発グループの白馬岩岳マウンテンリゾートは、ユアサ木材および北アルプス森林組合と連携し、長野県内で深刻化するナラ枯れの被害木を再利用した「さすてなベンチ」を制作した。被害木の有効活用を通じて森林資源の循環利用を促すとともに、地域が抱える課題の解決を目指す取り組みだ。

伐採した被害木を角材へ加工

被害木は未利用間伐材として無塗装の角材に加工され、「さすてなベンチ」の材料として活用される。ベンチの座面の角材は半年ごとに交換され、交換後の木材はウッドデッキ材や薪、ウッドブロックなどへと二次利用される。「さすてなベンチ」は白馬岩岳マウンテンリゾート内に設置されるほか、白馬村へ寄贈され、村内各所への設置が予定されている。

さすてなベンチ

カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によってミズナラやコナラなどの広葉樹が集団的に枯死する「ナラ枯れ」は、地域の森林環境に深刻な影響を及ぼす。枯死した木を放置すれば被害が拡大するおそれがあり、感染した被害木は伐倒する必要がある。

岩岳周辺のナラ枯れの様子(2024年8月撮影)
伐採された被害木
加工された角材

被害木を廃棄物として処分するのではなく、新たな資源として有効活用する「さすてなベンチ」は、健全な森林環境を保持するだけでなく、資源循環を促進し、持続可能な社会を構築していくうえで意義深い取り組みといえる。

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