Updated by 『森林循環経済』編集部 on August 13, 2025, 3:16 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
東京都町田市と玉川学園は、市内の樹木を資源として活用・循環させるための新たな事業連携協定を8月12日に締結した。市が進める『「まちだの木」活用プロジェクト』と、同学園の『Tamagawa Mokurin Project』を通して、持続可能な社会の形成と環境・地域社会の発展に貢献する。
この協定により官学協働のモデル確立を目指す。具体的には、市は公共空間から発生した木材資源を教材やイベント展示物の材料として玉川学園に提供し、同学園がこれを利活用する。また、町田市民や玉川学園の児童・生徒・学生を対象とした催事や環境教育プログラムを開発する。双方の広報媒体やSNSを活用した取り組みの普及啓発活動なども予定しているという。
今回の連携は、双方が抱える樹木管理の課題を、新たな価値創造や人々の環境意識を向上させる機会へと転換しようとするものだ。
町田市では、公共空間の樹木の多くが老木化・大径木化し、維持管理が課題となっていた。そこで市は、整備の過程で伐採された木を単に処分するのではなく、新たな価値を持つ資源「まちだの木」として活用するプロジェクトを推進している。
一方、「自然の尊重」を教育信条に掲げる玉川学園では、1929年の創立以来続く植林労作活動により、キャンパス内に里山環境が形成されてきた。しかし、木々の中には更新時期を迎え、間伐による適切な管理が必要なものが多数存在するという。同学園は、こうしたキャンパス内の樹木の整備と学びを「木の輪」でつなぎ、未来の地球環境保全に貢献することを目指している。
今回の協定を機に、これまで管理上の課題とされてきた市内の樹木が教育資源へと生まれ変わることになる。単なる樹木の利活用に留まらず、次世代の人材育成にもつながる取り組みは、地域資源を循環させるとともに、持続可能な社会を目指す上で大きな一歩となる。
■参考リンク
学校法人玉川学園と事業連携協定を締結しました/町田市ホームページ
【学校法人玉川学園】町田市と学校法人玉川学園による『「まちだの木」活用プロジェクト』と『Tamagawa Mokurin Project』の木に関する取組で推進する新たな資源循環事業連携協定を締結しました