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能登ヒバを使ったコスメで石川の県木アテ再造林を支援 NAIA、売上の一部を県山林協会の基金に寄付173

Updated by 『森林循環経済』編集部 on October 24, 2025, 1:42 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

ネイチャーサイエンスコスメブランドを展開するNAIAは、能登ヒバ資源の持続的な利用サイクルの構築を支援するため、石川県山林協会が管理する”「いしかわの木」の循環を応援する基金『アテサポート型』”への寄付をこのほど開始した。製品製造のための木材資源の「利用」に留まらず、「植林、育成」の段階まで関与することで、能登地域における林業の課題解決に貢献する試みだ。

今回の取り組みでは、10月8日に発売された「NAIA アクアクレンジングジェル」と「NAIA ライスバンデージクリーム」を皮切りに、能登ヒバの精油や蒸留水を使用した関連製品の売上の一部を基金に寄付する。基金は苗木の育成や森林資源の循環に向けた活動に使われる。また、同社は「アテ林業」や「能登の里山里海」の認知度を向上させる機会の創出にも取り組む方針だ。

アクアクレンジングジェル
ライスバンデージクリーム

取り組みの背景には、全国的に深刻化する再造林放棄地の増加がある。林業における収益性の低さ、植林費用の捻出困難、森林所有者の管理意欲低下、所有者不明林の増加、人材不足といった複合的な要因により、伐採後の再造林が停滞しているのが現状だ。能登地域もまた、この課題と無縁ではない。

地域文化や暮らしを古くから支えてきた石川県の県木アテ(ヒノキアスナロの能登地方での呼称)林においても、同様に再造林放棄地の増加が喫緊の課題となっている。NAIAはアテから抽出される能登ヒバ蒸留水や精油を主原料とした製品を開発・提供している。同社は、アテ・能登ヒバの木材資源を次世代へ引き継ぐため、「伐って、使って、植えて、育てる」という循環サイクルの確立を目指し、寄付を通じてアテの再造林や苗木づくりを支援するという。

地元の恵みを活用して製品開発を行う企業が、その収益の一部を地域に還元する仕組みは、持続可能な林業の実現だけでなく地域資源の認知度向上につながる。資源の循環と地域産業の活性化を両立させるうえで重要であり、今後の取り組みの拡大が期待される。

■参考リンク
北國新聞(2025年10月23日朝刊)に掲載されました | ニュース | お知らせ | 株式会社NAIA

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