Updated by 『森林循環経済』編集部 on December 02, 2025, 1:50 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
東洋製罐グループホールディングスは、辻調理師専門学校および日本ジビエ振興協会と共同で、レトルト技術を活用した「+GIBIERプロジェクト(プラスジビエプロジェクト)」を始動。2025年12月から長野県産鹿肉を用いた缶詰を販売している。常温での長期保存を可能にする包装技術を応用し、ジビエの安全性確保や流通課題の解決を目指す。
近年、野生鳥獣による農作物被害が深刻化し、捕獲数は増加傾向にある。しかし食用としての利活用が足踏みしている背景には、安全性確保のための衛生管理、流通と保管のコスト、そして調理の専門的な知見の必要性という三つの大きな障壁が存在する。

「+GIBIERプロジェクト」で導入する加圧加熱殺菌を用いたレトルト技術は、強力な殺菌により安全性を担保するだけでなく、常温での長期保存を可能にする。調理の煩雑さも少ないため、これまで捕獲現場や飲食店が抱えていた在庫リスクと調理負担を大幅に軽減できる。

現状では、捕獲された野生鳥獣個体の約9割は廃棄処分されているという。ジビエが食料資源として流通することは、野生鳥獣の利活用に加え、地域の経済基盤の強化につながる。また、消費者が森の恵みを享受することは、巡り巡って適切な森林管理の支援となる。本プロジェクトは、「食」を通じて森林の生態系維持と地域経済の活性化を繋ぐ、新たな循環モデルとして注目される。