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金剛組宮大工の技を応用した「束ね材」で特許取得 髙松グループ、人工林の循環利用と大径木調達の課題に挑む236

Updated by 『森林循環経済』編集部 on January 10, 2026, 12:35 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

髙松コンストラクショングループは、宮大工の伝統技術を応用した「束ね材」でこのほど特許を取得した。これはグループ会社である金剛組の知見を活かし、契(ちぎり)材のみで木材を束ねた工法で、分解し再利用することが可能だ。宮大工が受け継いできた伝統建築の技法を開発に活かすことで、伐採適期を迎えた人工林の循環利用と伝統建築に不可欠な大径柱の確保という二つの課題を解決することを目指す。

「契材」による接合構造が強度と再利用を実現

「束ね材」は、西暦578年創業の金剛組の宮大工が長年培ってきた木材の加工・接合技術をベースとしている。釘やボルトなどの金物、あるいは接着剤を使用せず、同じ「木」の契材のみで木材を束ねている。金属の腐食による劣化の懸念がなく、解体後に再利用もできる点が大きな強みだ。

複数の小径材を束ねることで、大径木の代替として利用できる構造を実現した。小径材に芯持ち材を用いれば、同じ断面径の無垢材と比較してコストを抑えつつ、高い強度を持たせることができるという。

「束ね材」で使用する契(ちぎり)材

現在、日本の人工林では戦後植林された木が伐採適期を迎えているが、安価な輸入材に押され、国産の小径材や中径材の活用は十分とはいえない。一方、社寺などの伝統建築の現場では、修繕や建て替えに必要な大径木の確保が困難な状況にある。この「活用を待つ森林資源」と「不足する大径木」という需給の課題を同時に解決するのが、今回特許を取得した「束ね材」だ。

人工林から作られる木材に新たな出口を設けることは、林業の活性化を促し、適切な森林管理を継続させる原動力となる。また、伝統建築に必要な資材を安定的に供給できる体制を整えることは、日本の文化遺産の維持にも貢献する。

「束ね材」の活用は金剛組内での設計施工に限定せず、大手建設会社や設計事務所とも連携していく方針だという。森林の健全な循環、資材の確保、そして宮大工の安定雇用という課題に伝統技術という切り口から挑む取り組みは、これからの木造建築の可能性を広げるものといえる。

■特許取得の概要
発明の名称:束ね材
特許番号:特許第7767507号(登録日:2025年10月31日)
出願番号:特願2024-98937(出願日:2024年6月19日)
発明者:木内 繁男
特許権者:株式会社髙松コンストラクショングループ

■参考リンク
【髙松グループ】宮大工の伝統建築技術を用いた「束ね材」で特許を取得~金剛組が開発した「束ね材」で人工林の循環利用と大径木の確保を両立~(株式会社髙松コンストラクショングループ、株式会社金剛組)

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