Updated by 『森林循環経済』編集部 on January 22, 2026, 7:50 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
キグナス石油は、長崎県林業公社が創出した森林由来J-クレジットを活用したカーボンオフセット燃料の実証販売を開始した。三愛オブリLPG輸送へ供給する軽油のCO2排出量を、地元長崎の森林整備による吸収量で相殺する取り組みだ。クレジット収益を地域へ還元することで、エネルギー消費と森林資源の活用という循環を構築し、地域社会の活性化への貢献を目指す。
今回の実証販売では、九州地方でLPガスの安定供給を担う三愛オブリLPG輸送のローリーが使用する軽油を対象としている。キグナス石油が供給する軽油の10%をオフセットすることで、期間中に約20t-CO2の削減を計画している。

活用されるのは、三愛オブリLPG輸送の活動拠点である長崎県のJ-クレジットだ。森林由来のJ-クレジットは、適切な間伐や植林などの森林管理によって創出される。このクレジットを付帯した燃料を利用すれば、需要家は既存の設備を活かしたまま脱炭素化を現実的に推進できる。同時に、クレジットの取引金額は創出元である地域へと還元される。

J-クレジットを保有する長崎県林業公社も、地域の森林整備が創出する価値が持続可能なサプライチェーンの実現に貢献することに大きな意義を見出している。森林保全において持続的な財源確保は全国共通の課題だが、こうした地域密着型のオフセットモデルが普及すれば、資金の流れが変わる契機となるだろう。
キグナス石油は今後、工場や運送業などの需要家を対象に、本システムのさらなる展開を検討していくという。森林が持つ環境価値をエネルギー供給という形で経済活動に組み込むこの試みは、まさに森林循環経済を体現する実践的なモデルケースといえる。