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バイオエタノールを活用したクリーン燃料の製造技術を開発するiPEACE223に三菱重工が出資 脱化石燃料の新たな選択肢に057

Updated by 『森林循環経済』編集部 on June 12, 2025, 10:00 AM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

三菱重工業が、バイオエタノールからクリーン燃料や化学品原料を製造する技術を持つスタートアップであるiPEACE223への出資を6月11日に発表した。再生可能資源を活用し、化石燃料依存からの脱却を目指す取り組みの一環となる。

国産バイオエタノールが化学品に変わる新技術

iPEACE223が開発する技術の核心は、バイオエタノールを原料として、プロピレンやプロパンを持続可能な形で製造する点にある。プロピレンは、自動車部品から家電、衣料、包装材に至るまで、我々の生活に欠かせないプラスチック製品の基礎原料だ。現在、そのほとんどが化石燃料であるナフサを分解して作られている。

iPEACE223社が試運転中のベンチプラント

同社の技術は、多孔質の鉱物であるゼオライトを特殊な触媒として活用し、バイオエタノールからこれらの物質を効率的に生み出す。原料となるバイオエタノールは、森林資源を含むバイオマスから製造可能だ。これは、カーボンニュートラルへの貢献はもちろん、エネルギー・資源の安全保障という観点からも大きな価値を持つ。

三菱重工は、今回の出資を通じてクリーンエネルギー技術の開発を加速させ、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進する。今回の出資の意義は、革新的な技術の社会実装に向けた動きが本格化することへの期待だ。スタートアップの独創的なアイデアと、大企業の持つ製造技術や販売網、資本力が結びつくことで、実証プラントの建設や商用化への道が大きく拓ける。

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