Industrial Initiative Activities as a Means of Implementing the Platinum Society
Updated by 平石 和昭 on June 26, 2025, 6:57 PM JST
Kazuaki HIRAISHI
(一社)プラチナ構想ネットワーク
1984年東京大学工学部土木工学科を卒業後、株式会社三菱総合研究所に入社。海外事業センター長、政策・経済研究センター長、政策・公共部門副部門長、アジアパイプライン研究会事務局長、Northeast Asian Gas and Pipeline Forum Secretary General、エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ株式会社取締役副社長を経て現職。専門は、インフラ計画、交通経済、エネルギー経済。博士(工学)、技術士(建設部門)
プラチナ社会(地球が持続し、豊かで、すべての人の自己実現を可能とする社会)をどうやって実現するのか。プラチナ構想ネットワークは、次の3つのステップを掲げて取り組んでいる。
第一は、「理念の形成と普及」である。プラチナ社会の理念を定義づけ、理念の普及や先導的事例を発掘する各種事業に取り組んでいる。プラチナ大賞は、当会の最も大きなイベントである。社会や地域の課題を解決し、プラチナ社会の目指す姿を体現しようとしている全国の自治体や企業・個人の取組みを賞として讃える。総務省と経済産業省から後援をいただき、総務大臣賞と経済産業大臣賞も授与している。この表彰イベントの実施を通じて、全国のどこで、だれが、どのような取組みを実施しているかを把握することができる。我々は、これらの情報をもとに、これらの取組みの深度化や横展開に取り組んでいる。
第二は、プラチナ理念を共有する「人財」の育成である。自治体職員、未来人財(小中学生)など育成対象ごとに複数の事業を実施している。たとえばプラチナ未来人財育成塾では、2050年の主役となる中学生(未来人財)に、2050年の社会を考えてもらい、「自分たちが何をすべきか」、「何をしたいか」、「何ができるか」を提案してもらう。この理念に共鳴し、ノーベル賞受賞者、宇宙飛行士、スポーツ選手なども中学生向けに講義を行ってくれる。さらに、大学生やシニアがチューターとして参加し、多世代交流で、みんなが学びあう「メダカの学校(誰が生徒か、先生か)」を実践している。
第三は、プロジェクトを興し、プラチナ理念を世の中の形にする「社会実装」だ。2つのアプローチで取り組んでいる。一つは、会員相互の連携支援である。自治体は、社会課題を抱えたフィールドを持っている。一方で、企業は課題を解決できるノウハウや技術を持っている。これらを組み合わせれば社会課題解決の一助になると考え、その仲介を行っている。もう一つは、産業イニシアティブ活動だ。我々自身がコーディネーターとなり、より大きな仕掛けと社会実装の推進に取り組んでいる。
プラチナ大賞等を通じて優れた取組みのピースは集まってきた。エッジの立った切り口を設定してこれらを組み合わせることで、相乗効果を発揮できるプロジェクトの組成を目指している。
産業イニシアティブ活動の第一弾が、これまでに紹介してきた森林循環経済を主導する「プラチナ森林産業イニシアティブ」だ。会員の99団体・者と連携して活動を行っている。バックキャスティングアプローチを採用し、フェーズ1で2050年での森林循環経済のあるべき姿を提案し、フェーズ2では、いつ、だれが、どこで、何を、どのように実践するかのロードマップを策定した。現在はフェーズ3に入っており、森林産業の上流、バイオマス化学、木造都市の各領域で、先導的なプロジェクトの形成に取り組んでいる。(プラチナ構想ネットワーク事務局長 平石 和昭)
<お知らせ>
プラチナ構想ネットワークでは、引き続き、一緒に活動していただくメンバーを募集しています。森林循環経済の主旨に賛同いただき、ぜひ活動にご参加ください。共に連携し、先頭に立って、社会の変革を目指しましょう。
はじめてのプラチナ構想ネットワーク