Updated by 『森林循環経済』編集部 on July 15, 2025, 10:00 AM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
北海道は、道産の木材を使用した住宅を「HOKKAIDO WOOD HOUSE」として認定する制度を創設し、6月から運用を開始した。認定住宅を通して道産木材製品の魅力を発信するとともに、建築物の木造化・木質化を推進することで、道産木材製品の認知度向上と利用促進を図る。
本制度の認定には「認定基準」と、より上位の「推奨基準」の2種類がある。「推奨基準」を満たした場合、道産木材を利用した新築住宅等に対する補助事業の採択に有利になるほか、提携金融機関において住宅ローンの金利優遇を受けられるといったメリットがある。
認定の申請は、当該住宅の建築主・設計者・施工者のいずれでも可能。ただし、申請には住宅の設計者または施工者が「HOKKAIDO WOODメンバー」に登録済みで、かつHOKKAIDO WOODブランドを積極的にPRする意欲があることが条件となる。
住宅への木材の利用は、コスト面が導入の障壁となることも少なくない。本制度が定める補助制度や住宅ローン金利の優遇といった金銭的なメリットは、建築主が道産木材を選択する上で直接的かつ有効なインセンティブとなる。
本制度の活用が広がれば、木材の生産から加工、消費までが地域内で完結する「木材の地産地消」のサイクルが強化され、林業や関連産業の活性化にもつながる可能性がある。北海道の取り組みが、地域経済の循環と脱炭素社会の構築を両立させるモデルケースとして全国に波及していくことが期待される。
■認定制度の概要
(1)認定基準(以下の項目を満たす住宅を「HOKKAIDO WOOD HOUSE」に認定)
・国内の戸建て住宅(什器やウッドデッキ・外構・木塀のみを施工した場合を除く。)
・原則として構造材や内装材、外装材に道産木材製品(合法木材証明制度により産地が北海道内であると証明されているもの)を使用し、PR効果が高い住宅
・原則として2019年4月以降に竣工、または竣工予定の住宅
(2)推奨基準(道産木材の住宅への更なる使用、性能の高い住宅建築の促進を目的に設定)
・(1)の認定基準を満たす住宅
・延べ床面積1平方mあたり0.1立方m以上の道産木材製品を使用した住宅
・ZEH水準(断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6)に適合する住宅