Updated by 『森林循環経済』編集部 on July 09, 2025, 10:00 AM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
徳島県を拠点とし、樵木林業(こりきりんぎょう)による循環型林業や森林資源の活用による自治体向けサービスを提供する「四国の右下木の会社」は神戸市と「里山と都市の森林資源の循環利用に関する協定」を7月に締結した。徳島県で行われてきた林業の技術を活用すると共に、神戸市との技術交流を通じて、地域内での資源循環モデルの創出を目指す。
本協定は、神戸市の里山や都市部の森林資源を持続可能に管理し、循環的な活用を推進することを目的としている。同社が江戸時代から継承する「樵木林業」の技術を用い、神戸市内の公園や街路樹の伐採木を再資源化する。
協定に基づく活動は多岐にわたる。神戸市で「地炎地食」(地域の薪や炭を使って地域食材を調理)の実証を進め、都市部でも樵木林業による循環林の形成が可能かを検討するほか、短伐期施業による炭素吸収量や生物多様性回復への効果を科学的に評価し、持続可能な森林活用の制度設計や政策提言につなげる。森林に関する知見を市民に伝え、体験の機会を提供する企画も実施する予定だ。
江戸時代からの知恵と現代の技術、都市と地方の連携。これらの融合は森林活用における循環モデルの可能性を広げるものだ。神戸市での実践は、都市と地方の協働によって新たな価値を生み出す先進的なモデルケースとなりうる。