Updated by 『森林循環経済』編集部 on July 26, 2025, 4:24 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
みずほリースとグリーンエルムは、自然循環型天然林がもたらす多面的価値と企業を結びつけるソリューション「Natural Forest as a Service」の提供に向け、千葉県市原市での実証を開始すると7月25日に発表した。実証の舞台は、タケエイが市原市内に所有する森林の一部(約1万3000平方メートル)で、両社は同地の貸与を受けて活用する。
今回の実証では、学術的知見をもとに地域の植生や地理的特徴などを調査したうえで地域の生態系に適した天然林を設計・植樹し、その土地に最適化された自然循環型の森林を創出する。プロセスを体系的に実践し、森林の多面的機能や価値を可視化することにより、企業が自然資本を経営戦略に組み込むための新たな選択肢を提示することを目指すという。
みずほリースは金融・リース分野での知見を活かし、企業が自然資本を経営に取り込むためのスキームを構築。グリーンエルムは、地域の植生に最適化した苗木の生産や植栽、森林整備のノウハウを提供する。
森林の生態系保全、防災・減災、水源涵養など多面的な価値を企業が理解することは、自然環境や生物多様性の破壊を防ぐだけではなく、資源循環の観点からも重要だ。今回の取り組みによって企業と自然の関わりが広がり、森林を自然資本として捉える認識が深まることは、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、森林循環経済の確立に向けた重要な一歩となるだろう。