Updated by 『森林循環経済』編集部 on December 04, 2025, 11:19 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
食品サブスクリプションサービス「Oisix」を展開するオイシックス・ラ・大地は、国内の里山に眠る可食植物を研究・開発するブランド「日本草木研究所」と協業し、日本の森林資源を食卓へ届ける共創プロジェクトの第1弾として、オリジナル商品「マーガオ香る サワラのオイル漬け」を共同開発した。「おいしい森」の恵みを育み、国内林業の衰退という課題に「食」の切り口から挑む。
マーガオは、クスノキ科の落葉高木アオモジの果実を原料とするスパイスで、山椒とレモングラスを合わせたような爽やかな香りが特徴だ。これまで雑木として扱われてきたアオモジを活用したオリジナル商品を開発することで、未利用資源に新たな価値を生み出すとともに、林業従事者にとっての新たな収入源と雇用創出を目指す。

日本の森林は、その広大さにもかかわらず、経済的価値が木材やキノコに限定され、多様な植生が十分に活用されていない現状がある。日本各地の暖かい地域に自生するアオモジは、これまで杉や檜の間に生える「雑木」として認識され、伐採されても価値がないものとされてきた経緯がある。日本草木研究所がスパイスとしてのマーガオの利用価値を提示。オイシックス・ラ・大地はサステナブル・リテール(持続可能な小売業)の一環として商品の共同開発に乗り出した。

国産マーガオの利用が進むことで、森林の多様性が保たれ、地域活性化や新規事業の創出にもつながる可能性がある。「食×林業」という新しい領域への挑戦は、衰退しつつある地方の森林に新しい経済的な希望をもたらす試みだと言える。
■参考リンク
【食×森】Oisixと日本草木研究所が初コラボ 国産スパイスでオリジナル商品開発持続可能な「おいしい森」からの恵みを ふだんの食卓に拡げる取り組みを開始第1弾「マーガオ香るサワラのオイル漬け」販売開始(12/4~) | 有機や特別栽培野菜など安全性に配慮した食品宅配のオイシックス・ラ・大地
オイシックスコラボ記念:国産スパイス「生マーガオ」が拓く、食と森の未来。