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スマート林業を「見て・触れて・学ぶ」 林野庁、大阪・関西万博でシミュレーターなど最先端技術を体験展示025

Updated by 『森林循環経済』編集部 on May 13, 2025, 2:32 PM JST

『森林循環経済』編集部

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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

林野庁は、大阪・関西万博の「食と暮らしの未来ウィーク」で、日本のスマート林業を体験できる展示を6月8日~15日に実施する。会場はEXPOメッセ「WASSE」で、来場者は最先端の林業機械や技術を実際に操作・体感できる貴重な機会となる。

スマート林業の可能性を体感

林野庁の展示テーマは「安全に、楽しく♪森林を育てて、温暖化対策に貢献」。スマート林業とは、ICTやロボット技術を活用し、森林の管理や伐採、搬出といった作業を効率化・高度化する次世代の林業だ。今回の展示では、その最前線を体験できる内容がそろっている。

展示の目玉のひとつは、林業機械の操作を模擬体験できる本格的なシミュレーターだ。林業現場で実際に使われている訓練用のシステムを用い、ホイール式のハーベスタ(伐倒・枝打ち・玉切りなどを行う多機能機械)とフォワーダ(木材を積み込み運搬する機械)の操作を、リアルな映像と操作環境の中で体験できる。

また、高さ約2.5メートル、重さ1.3トンのハーベスタヘッドの実物も展示される。映像による稼働中の様子とあわせて紹介され、普段は山奥でしか見ることのできない大型機械の迫力を間近で感じられる構成となっている。

さらに、傾斜の厳しい地形でも活躍する「遠隔式伐倒作業車」の紹介では、10分の1スケールのミニチュア機を使ったジオラマ上の操作体験が用意されている。重機が入りにくい日本の森林において、遠隔操作による安全な作業を可能にする技術の仕組みを、楽しく理解できる構成だ。

未来の暮らしを支える林業

大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿って、林野庁の展示では、林業が果たす環境・経済・社会への多面的な貢献を紹介する。スマート林業が目指すのは、省力化と安全性の両立、そして持続可能な森林資源の循環利用だ。林業従事者や業界関係者のみならず、一般来場者に対しても「林業=危険で特殊な仕事」という従来のイメージを覆す内容となっている。

特に、林業の人手不足や高齢化が深刻化する中で、こうした先進技術の導入は業界再生のカギとされており、万博の来場者に「未来の暮らしを支える林業の姿」を伝える意義は大きい。

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