Updated by 『森林循環経済』編集部 on May 14, 2025, 12:38 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
高耐震木造住宅を多数手掛けてきたテラジマアーキテクツが、5月から「木造ビル建築事業」を本格的にスタートした。これまで蓄積してきた住宅建築の知見を活かし、中大規模建築における木造化の新たな可能性を提示する。
同社が導入する「耐震構法SE(Safety Engineering)構法」は、構造用集成材と専用金物を組み合わせた高性能木造工法だ。一般的な木造と異なり、一棟ごとに構造計算を行うことで、鉄骨造に匹敵する高い耐震性と設計の自由度を両立している。建物全体の強度バランスを高精度で設計できる点が特徴であり、設計の自由度を保ちながら、安全性とともに大空間・大開口の実現も可能とする。
この構法により、テラジマアーキテクツは木造でありながら5階建てまでの耐震性を確保した中大規模ビルの建築を可能とし、「理想の自社ビルを木造で叶える」ことを掲げている。都市部の狭小地にも対応できることから、個人事業主や中小企業にとって現実的な選択肢となる。
都市における木造ビルの建設は、環境負荷の低減や地域産木材の活用による森林資源の循環、さらには炭素固定効果など、多方面に波及するメリットがある。テラジマアーキテクツはこの取り組みにより、環境の視点からも貢献を目指すとしている。
また、都市の建築景観に温かみや自然の質感を取り戻すという観点でも、木造化は持続可能な都市設計の鍵となる。省エネルギー性能の向上など、環境に配慮した建築としての利点も注目される。
テラジマアーキテクツは設計・施工一体体制の強みを活かし、デザインと構造の両面から木造ビルの品質を追求する。コスト重視の構法にとどまらず、デザイン性と耐久性、サステナビリティのバランスを重視した新たな木造建築のかたちを提案する。