Updated by 『森林循環経済』編集部 on May 24, 2025, 10:00 AM JST
Forestcircularity-editor
プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
産業用ドローンの製造・販売を手がけるマゼックスは、最大55kgの積載性能を持つ新型運搬ドローン「軽助55(かるすけ ごじゅうご)」を発表した。住友林業との共同開発体制のもとで製造を行ってきた林業ドローン「森飛(もりと)シリーズ」の最新機種で、既存機種を大幅に上回る積載力と用途の広さを実現した。出荷開始は8月中旬を予定している。
「軽助55」の最大積載力は55kgで、既存の林業ドローン「森飛15」「森飛25」と比べて大幅に積載力が向上した。これまでの小型ドローンでは難しかった植林資材などの重量物の空輸が、より現実的な選択肢となる。
「森飛シリーズ」は、植林地へのコンテナ苗木運搬の負荷を軽減させるために開発された。2020年に国内初の林業用運搬ドローンとして発売され、過酷な山林環境でも安定・安全に苗木や資材を運べる機体として現場で採用されてきた。
「軽助55」は、風や傾斜・アクセスの困難さが重なる現場に対応するため、全国の急傾斜地や山間地において実証実験を重ねて開発された。積載力の向上により、コンテナ苗のほか建設・設備資材、工具類、獣害対策資材、植林関連資材などの運搬が可能となっている。
林業現場の多くは、急傾斜地や山間部といった車両が進入しづらい場所に位置している。加えて、作業員の高齢化や人手不足といった問題も抱えており、作業効率化や省力化の手段が模索されている状況だ。その中でも、運搬ドローンによる飛行運搬は現実的な解決策として注目されている。
重労働をドローンが担うことで、作業員の負担は大幅に軽減される。これによって作業の安全性と効率が向上すれば、林業全体の生産性を底上げすることにもつながる。運搬ドローンの進化は、持続可能な林業経営を実現する有効な一手となりうる。