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腰の負担を35%軽減するアシストスーツ 林業現場の労働環境改善に貢献042

Updated by 『森林循環経済』編集部 on May 29, 2025, 4:18 PM JST

『森林循環経済』編集部

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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

アシストスーツを製造・販売するイノフィスは、使用者の腰の負担を軽減する「マッスルスーツSoft-Power(R)」を、長野県大町市を拠点に林業事業を展開する、おおまち林業にこのほど納品した。人工筋肉が生み出す補助力で、樹木伐採後の片付けや搬出などの作業をサポートしている。

人工筋肉でサポート力と動きやすさを両立

同製品は、東京理科大学発スタートアップのイノフィスが開発した装着型の作業補助機器。身につけることで使用者の動作をサポートし、作業時にかかる腰や背中への負荷を軽減する。サポート力と動きやすさを両立させたマッスルスーツは、身体活動支援業を事業ドメインとする日本シグマックスと共同で開発された。

林業でのアシストスーツ利用シーン

同製品はアシストスーツの中で「サポーター型(内骨格型)」に属し、これまでのマッスルスーツシリーズで培った技術をベースに開発された。人工筋肉の技術を応用したアシスト技術がサポーターの背面部に搭載されており、高いサポート⼒を生み出す。イノフィスの実証実験によれば、従来の製品に比べて腰にかかる負担を35%軽減できるという。また、「外骨格型」のアシストスーツに比べて本体重量は430gと軽量で、動きの自由度の高さも両立しており、歩く・しゃがむなど動きの多い作業に適している。

今回導入したのは、樹木伐採を主な業務として林業事業を展開する、おおまち林業。重機を入れられない現場もあり、手作業で行う伐採後の片付けや重量物の搬出時の身体的負担が課題だったという。

林業でのアシストスーツ利用シーン

林業の現場で重量物の持ち運びや前傾姿勢での作業は腰や背中に負荷を与え、腰痛や疲労に伴うストレスの原因となる。身体的負担は作業効率を下げるだけでなく、林業従事者の離職につながる要因でもあり、早急な対策が求められている。

技術革新によって機械が代替できる林業の作業は増えているが、手作業で行わなければならない業務は少なくない。アシストスーツは林業での作業負担軽減および労働環境改善に大きく貢献する可能性を秘めている。

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