Updated by 『森林循環経済』編集部 on October 25, 2025, 4:40 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
大林組は、火災時倒壊防止性能検証法および避難時倒壊防止性能検証法に基づき、木構造の燃えしろ深さ計算をBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と連携して自動的に行うツール「SynchroMOK(シンクロモック)(TM)」を開発した。これにより、中規模建築物の純木造化設計における障壁となっていた複雑な計算プロセスを大幅に効率化し、準耐火構造の提案を後押しする。
本ツールの特長は大きく二つある。一つ目は、BIMワンモデル活用による木造化実現性の円滑な評価だ。大林組は、自社のBIMモデリングルールである「Smart BIM Standard(R)」に基づき、BIMワンモデルの一貫利用を推進している。既に運用済みのシステム群に本ツールを連携させることで、法的審査に必要な情報の抽出がより高度かつ効率的に行える体制を確立した。

二つ目は、木材の表面が炭化する深さを示す燃えしろ深さの計算プロセスにおける効率化だ。歩行距離や歩行速度など基本的な避難情報を入力するだけで、必要な構造情報はBIMから自動取得され、燃えしろ深さを短時間で算出することが可能となった。

システム化による計算プロセスの効率化は、これまで複雑な手続きが障壁となっていた中規模建築物の木造化を促進させるきっかけとなるだろう。木材は製造時のCO2排出量が他の建材に比べて少なく、建材化された後も炭素を貯蔵する機能を持つため、中規模建築物の木造化は、脱炭素社会実現に大きく寄与する。
大林組は、「SynchroMOK」による効率化を通じ、建て替え需要の高まる中規模建築物に対し、純木造化の提案を強化していく方針であり、設計作業のさらなる効率化を追求していく構えだ。
■参考リンク
中規模木造建築の準耐火構造提案を支援する計算ツール「SynchroMOK™」を開発 | ニュース | 大林組