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チョウを起点に林業の全工程を再設計 青葉組とバタフライが挑む生物多様性モデル250

Updated by 『森林循環経済』編集部 on January 28, 2026, 7:22 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

青葉組は、卓球用品のブランド「バタフライ」を展開するタマスと連携し、林業の全工程にチョウの保全と生息環境の再生を組み込んだプロジェクト「バタフライフォレスト」を栃木県足利市でこのほど始動した。商業的な林業において、伐採前の設計から植林・管理まで一貫してチョウの「保全」と「再生」を目的に具体的措置を講じるのは日本初の試みとしている。

フモトミズナラなどを「保残木」に

日本には約240種のチョウが生息するが、約4分の1が環境省のレッドリストに掲載されている。幼虫期には特定の植物を必要とし、成虫は花粉を媒介する送粉者でもあることから、生態系の変化を映す存在とされる。こうした特性を踏まえ、伐採前にはチョウの生息状況と植生の事前調査を行い、チョウの移動経路を妨げない作業道を設計する。また、全ての樹木を伐採せず、フモトミズナラなど特定の樹木を「保残木」として残すことで既存の生態系を維持する。

伐採作業において植生に配慮するのはもちろんのこと、伐採後はチョウの幼虫の食草となる樹種の植林に加え、意図的に草地エリアを創出する。林業活動を通じて森林の中に多様な環境を再生し、チョウが継続的に生育できる場を整える仕組みだ。特定の生物の保全だけでなく生息環境を増やすことまで踏み込んだ取り組みは、国内の林業における先進的なモデルケースといえる。

チョウを守る森づくりのイメージ

なお、プロジェクトを通じて伐採されたスギやヒノキといった国産材は、卓球のラケット素材などとしての活用を目指し、研究開発が進められる。スポーツメーカーとの協働により、国産材に新たな付加価値を与え、持続可能な資源循環を加速させる狙いだ。

チョウを起点に、森の生態系全体を豊かにし、そこから得られる資源を産業につなげる。この循環は、自然資本の回復が経済活動と連動する次世代の林業のあり方を提示している。

■参考リンク
日本初※、林業の全工程で「チョウ」を守り増やす森づくりを開始 ―卓球用品総合メーカー・バタフライと青葉組が連携し、チョウの保全に挑む ―(青葉組株式会社)
栃木県足利市で”蝶をシンボルとした森づくり”を始動(株式会社タマス)

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