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【森林・林業・木材産業の人材動向2026】林野庁は一貫支援を強化へ 外国人材・起業家・建築学生にも広がる担い手357

Updated by 『森林循環経済』編集部 on October 06, 2026, 5:57 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

森林・林業および木材産業の持続的な発展に向け、現場の担い手や専門技術者を安定的に確保・育成する動きが加速している。これまでは、従事者の高齢化や若手不足、高い労働災害率に加え、新規参入のハードルの高さや定着率の低さといった構造的な課題があったが、政策、教育、自治体支援、そしてマッチングの各領域において実践的なアプローチが相次いでいる。林野庁が令和9年度予算概算要求で示した川上から川下までの一貫支援をはじめ、特定技能制度を活用した外国人材の採用・教育連携、起業家育成塾の開講、都市部学生に向けた伝統構法の実習、自治体による奨学金返還支援、求人サイトにおけるスカウト機能の導入まで、人材の確保・定着・育成に向けた多角的な取り組みが広がっている。今後は、これらの施策を連動させ、森林から建築までのサプライチェーン全体で、業種・地域・国境を越えて人が行き来する「循環」をどう設計するかが問われる。

林野庁、概算要求で川上から川下まで持続可能な基盤構築へ一貫支援を強化

林野庁は、令和9年度予算概算要求において「森と木の人材育成・確保総合対策」として前年度比約8.5億円増となる57億3,100万円を要求した。森林・林業・木材産業・建築分野における深刻な担い手不足や専門技術者の不足、高い労働災害率といった構造的課題に対応するものだ。事業は「森林・林業担い手育成」「木材産業人材確保」「木造建築物の設計者・施工者育成」の3本柱で構成され、川上から川下までのサプライチェーン全体を包括的に支援する。具体的には、新規就業者の技術修得から中堅技能者のキャリアアップまでを支える「緑の雇用」による研修をはじめ、林業大学校生等への給付金支給に加え、高校生・女性等の参入を促す後継者支援、経営・集約化を担う「森林プランナー」の育成まで多角的に展開。外国人材受入の円滑化、安全対策の強化なども推進する。令和12年度までに「安全かつ効率的な技術を新たに有した従事者1,500人」「持続的な林業経営体1,800体」、令和12年までに「死傷年千人率16(労働災害発生率の低減)」の達成を目指す。業界が抱える慢性的な担い手不足に対し、前年度を上回る予算額を要求した動きからは、積極的な課題解決への姿勢がうかがえる。現場の安全強化や技能評価を通じた定着支援も併せて推し進めることで、持続可能な産業基盤の構築を図る。

出典:林野庁

※参考リンク
森と木の人材育成・確保総合対策 | 林野庁

特定技能「木材産業」で産学官連携、インドネシアの学生を在学中から育成

特定技能外国人の採用支援を手がけるA-stationは、インドネシアの職業教育機関と連携し、日本の木材産業に向けた新たな人材育成モデルの構築を開始した。現地の木材系大学等で日本語教育を単位化した正規カリキュラムとして導入するほか、日本の職場文化や業界知識を学ぶ「日本就職カリキュラム」を整備し、在学時から即戦力人材を育成する試みだ。7月にインドネシアで開催されたセミナーでは、政府関係者や学長・校長など約50名とともに教育と就職を一体化した仕組みについて議論を深めた。セミナーで講演した木材大手の長谷川萬治商店は、すでに15名の特定技能人材の採用を決定しているという。専門性と語学力を備えた人材を確保・育成する取り組みは、深刻な人手不足が続く木材産業における新たなモデルとして期待される。

出典:株式会社A-station

※参考リンク
【特定技能「木材産業」の新たな人材育成モデル】|株式会社A-stationのプレスリリース

日本木青連、起業家育成塾「Bundle」で異業種参入と新規事業創出を推進

日本木材青壮年団体連合会(日本木青連)は、林業・木材業界の次世代および起業家の育成を目指すプログラム「Bundle(バンドル)」を7月に開講した。全6回のオンライン講義と愛知県新城市でのフィールドワークを通じ、業界の基礎構造の理解からスタートアップ企業の事例分析、ビジネスモデル構築や資金調達の手法までを包括的に提供する。講師には、現場の第一線で実績を持つ実務者や経営者を迎え、受講者の事業化に向けた伴走支援や最終発表会(ピッチ)も実施される。従来、外部からの参入ハードルが高かった林業・木材分野において、業界内の若手後継者や異業種からの参入希望者を受け入れ育成するBundleの取り組みは、新規人材の定着とイノベーション創出を促す重要な基盤といえる。

※参考リンク
林業・木材業界の次世代を担う起業家育成塾『Bundle(バンドル)』開講 | 日本木材青壮年団体連合会のプレスリリース

飛騨市を「キャンパス」に、伝統構法の実習で都市部学生と職人をつなぐ

岐阜県飛騨市と大阪工業技術専門学校(OCT)は、高度専門人材の育成や伝統的な町並みの維持保全、木造建築技術の継承を目的とした「木造建築技術継承および人材循環モデル構築に関する包括連携協定」を9月に締結した。地域の森林資源や林業・製材・大工技術といった一連の「木造文化」と、都市部の専門教育と連携することで、「町と学生が共に育つ」新たな人材育成・循環モデルの構築を目指す。建築技術と職人文化を学ぶ具体的な取り組みとして、大工技能学科の学生が、人力とカケヤ(木槌)だけで組み立てる伝統構法に挑む「棟上げ実習」も企画。さらに飛騨市産スギを大阪の教材として提供する取り組みや、将来的に「1年目は大阪で基礎、2年目は飛騨で実践」を学ぶサテライトキャンパス構想も進められている。地域資源と教育機関の連携により、将来の林業・建築分野を担う人材育成と国産材利用を推進するモデルケースとして注目される。

飛騨市と大阪工業技術専門学校の包括連携協定締結式(出典:飛騨市)

出典:飛騨市

※参考リンク
大阪工業技術専門学校と市が連携協定を締結 | 岐阜県飛騨市のプレスリリース
【岐阜県飛騨市】9月17日、都会で建築を学ぶ学生が飛騨市で「棟上げ」に挑戦!林業・製材・大工・左官・建築・町並み保存まで、木造建築のリアルを体感できる匠のまち | 岐阜県飛騨市のプレスリリース

徳島県が林業など技術職の奨学金返還を支援、定着も後押し

徳島県は、技術職の人材確保を強化するため「徳島県職員奨学金返還支援制度」を新設した。支援対象は、令和8年度および令和9年度に「林業」「総合土木」「建築」の区分で採用され、採用後3年以上徳島県庁で就業する県職員だ。日本学生支援機構の代理返還支援制度を活用し、無利子の第一種奨学金では借受総額の1/2(上限125万円)、有利子の第二種奨学金では1/3(上限85万円)を、就業4年目から8年目までの5年間にわたり県が返還支援を行う。技術系公務員の採用競争が激化する中、若手職員の経済的負担を軽減し、地域の森林管理やインフラ整備を担う人材の確保と定着を図る。

出典:徳島県

※参考リンク
徳島県職員奨学金返還支援制度について【総合土木・林業・建築職対象】 | 徳島県のプレスリリース

林業の転職にも「スカウト型」、ミスマッチ解消と定着率の向上へ

林業専門の求人サイトを運営するRINDOは、採用企業から求職者へ直接アプローチが可能となる「スカウト機能」を2月に開始した。企業が求職者の所有資格や経歴を確認した上で直接スカウトを送る仕組みで、同社によると林業界初だという。また、林業特化型の履歴書作成サポートやキャリア相談を行い、入社後のミスマッチ軽減を徹底し、人材の早期離職防止や業界全体の流動化を促す効果が期待される。

出典:株式会社RINDO

※参考リンク
【林業界初】企業から声がかかる転職へ|林業特化型求人サイトRINDO「スカウト機能」が新リリース致しました | 株式会社RINDOのプレスリリース

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