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震災復興の地で企業と育む「再生の森」 陸前高田市の「ワタミの森」で森林保全活動を開始047

Updated by 『森林循環経済』編集部 on May 31, 2025, 10:00 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、木造都市の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

外食大手のワタミは5月28日、陸前高田市の市有林に設けられた「ワタミの森」の森開き式と森林保全活動を実施した。この活動は、「陸前高田市企業等による森づくり制度」における活動に関する協定締結に基づくもの。震災復興と地域再生の道を歩み続けている自治体と企業が連携して、持続可能な地域社会の実現を目指す。

脱炭素・自然共生社会の実現を目指す

この制度は、自治体や公益法人、森林組合、企業等の多様な主体が連携して森づくりを行い、脱炭素・自然共生社会の実現に向けて取り組む仕組み。協定を締結した企業は、陸前高田市から1区画(約1ha)の市有林の提供を受け、企業の社会的責任(CSR)活動として社員研修、レクリエーションなどに活用できる。

ワタミ社員による森林保全活動

東日本大震災以後、ワタミは陸前高田市で経済の活性化や雇用の促進に取り組み、2021年には「陸前高田ワタミオーガニックランド」を開業している。今回の森開き式と森林保全活動には、外食事業に携わる社員38名が参加。陸前高田市森林組合の指導のもと、植栽木への印付けや坪刈り、ツリーシェルターの除去、除伐といった活動が行われた。今後も事業ごとに社員が陸前高田市を訪れて活動を行う「ワタミツアー」が計画されているという。

陸前高田市「ワタミの森」第1回森林保全活動

陸前高田市の取り組みで注目すべきは、森林が持つ多面的機能を維持・増進するだけでなく、企業等による市内への継続的な来訪を促し、交流人口の拡大及び地域活性化をも目指している点だ。このアプローチは、単なる森林保全に留まらない。森林資源の恵みを活かしながら、都市部の企業や団体が継続的に地域と関わる機会を生み出す仕組みは、持続可能な地域づくりの有力な選択肢となり得る。

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