Updated by 『森林循環経済』編集部 on July 10, 2025, 5:02 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
木材や木質系廃棄物の破砕・選別設備の機械設計メーカーである三蓉エンジニアリングが、ひろしま産業振興機構が実施する「中小企業成長プラン策定支援事業」において評価優良企業に認定された。木材資源を有効利用する総合的な技術力と製品開発への挑戦が評価された。
同社の主要事業は、破砕機やドラムチッパー、粉砕機など廃木材を再資源化する技術や森林未利用材からバイオマス発電用チップを製造する設備の設計・製作・据付・販売だ。
独自の技術システムを組み込んだHMP型木質廃材破砕・選別プラントによって廃木材の破砕から選別までを効率的に行い、高品質な木材チップの大量生産と低コスト化を両立させた。現時点で全国43都府県への納入実績を誇る。
製造した木片チップに含まれる小石、金属片、砂、硬質プラスチックなどの異物を沈降除去し、高品質のチップを効率的に大量に生産する木片チップウォッシャー(水洗式異物除去装置)なども開発し、『広島県「ものづくり」オンリーワン企業』としての認定も受けている。
今回の審査では、顧客ニーズを踏まえた製品ラインアップの充実や、既存設備の改良、失敗を恐れずに新たな挑戦を続ける取り組みやビジネスモデルが評価の対象となった。
同社を評価した中小企業成長プラン策定支援事業は、広島県が主導して設立したひろしま産業振興機構が実施する。県内産業の発展に寄与することを目的として企業の技術力や経営力を客観的に評価し、具体的な成長戦略を提案する取り組みだ。
脱炭素化の流れの中で、木質バイオマスなど再生可能資源の重要性は一層高まっている。廃棄材を価値ある資源に変える同社の技術は、地域における資源循環型社会の構築に貢献する先行事例として注目を集めそうだ。