Updated by 『森林循環経済』編集部 on October 17, 2025, 9:09 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
木造住宅の販売を中核事業とするライフデザイン・カバヤが、岡山県の産官学連携のもとで推進する「地域循環型住宅サプライチェーン CLTハイブリッド構法」プロジェクトが、「2025年度グッドデザイン賞」および「ウッドデザイン賞2025」のW受賞を果たした。地域に根差した持続可能な住宅サプライチェーンの構築を目指す取り組みが、デザイン性と社会課題解決の両面から認められた形だ。
本プロジェクトは、日本の住宅産業が抱える課題の解決を目的としている。日本国内に豊富な森林資源がありながら、住宅用木材の多くを輸入材に依存しており、地域材の活用が不十分であるという問題だ。同社はまず本社を置く岡山県において、県産木材が県内で安定的に流通し、消費される「地域に根差した持続可能な住宅サプライチェーンの構築」を目指す取り組みを開始した。
これは、単に「県産材を使う」というスローガンに留まらない。岡山県産材の約5割が地域で活用できていない状況を打破すべく、同社は土台や柱にも県産材を用いたオリジナル木造軸組工法「CLTハイブリッド構法」を開発した。さらに、自治体や地元企業、地元大学と連携してサプライチェーンを構築するとともに、教育現場や社内研修、広報活動を通じて地域材活用の重要性を発信し続けた。
W受賞という評価は、一企業の枠を超え、産官学が連携して地域の課題解決と森林資源活用に挑んだ高難易度の実践に対する社会的な期待の表れといえる。豊富な森林資源を十分に活かしきれず、安価な輸入材への依存や林業の採算性悪化により停滞しがちな木材利用という全国的な課題に対し、本プロジェクトは1つの解決策を提示するものといえる。
■参考リンク
グッドデザイン賞・ウッドデザイン賞をダブル受賞しました | ライフデザインカバヤ
2025グッドデザイン賞 地域循環型住宅サプライチェーン
『ウッドデザイン賞2025』 受賞作品206点が決定しました!(主催 一般社団法人日本ウッドデザイン協会)