Updated by 『森林循環経済』編集部 on February 10, 2026, 8:01 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
バイウィル、島根県奥出雲町、三機工業の三者は、奥出雲町が創出する森林由来J-クレジットの活用に関する連携協定を締結した。今後8年間で計1.6万トンのクレジット売買を行い、脱炭素社会の実現と林業振興を促進する。都市部の企業と地方自治体が連携し、環境価値の循環による地域活性化のモデル構築を目指す。
三機工業は奥出雲町の適切な森林管理によって創出されたクレジットを、バイウィルを通じて購入する。今後8年間にわたり毎年2,000トンずつ、累計1万6,000トンの森林由来J-クレジットの取引を計画している。

三機工業は、購入したクレジットを自社の事業活動におけるCO2排出量のオフセットに活用する。一方、奥出雲町はクレジットの売却益を町内の林業振興や環境保全活動に再投資する。これにより、三機工業の脱炭素化への取り組みと、奥出雲町の持続可能な林業経営を同時に支える仕組みが構築された。
奥出雲町は日本古来の鉄づくり「たたら製鉄」の拠点として、森林と共生してきた。鉄を生産するために膨大な木炭が必要とされ、そのための広大な山林が維持・管理されてきた。町の約8割を森林が占めているが、適切な整備と維持管理には多大なコスト負担が必要となる。今回の連携では、奥出雲町が森林管理とクレジットの創出を行い、バイウィルが実務支援や知見の提供を担い、三機工業がクレジットを長期的かつ安定的に購入して地域林業を支援する。また、三機工業独自のエコ貢献ポイント制度を活用した奥出雲町への森林整備助成や社員による環境保全活動など、多角的な支援にも取り組む予定だ。
今回の三者連携は、単なる排出量取引にとどまらない意義を持つ。三機工業にとっては、中長期的な温室効果ガス削減目標の達成に向けた具体的な手段の確保となる。バイウィルは地域カーボンニュートラルのプロバイダーとして、都市部の資金を地方の環境保全へとつなぐ。奥出雲町にとっては、外部資金の獲得により林業の持続可能性が高まるメリットがある。
企業が地方の環境価値を正当に評価して購入することで、脱炭素と地方創生を同時に加速させる取り組みは、カーボンニュートラル実現のための現実的かつ有効な手段だ。環境保全への貢献が地域経済の活性化へと直結する、持続可能な社会の実現が期待される。
■参考リンク
「J-クレジットを活用したカーボンニュートラル等に関する連携協定」を締結 (奥出雲町)
【プレスリリース】バイウィル、奥出雲町・三機工業と 「森林J-クレジット」活用で連携協定。 8年間で1.6万トンの売買を支援し、脱炭素と林業振興を促進(株式会社バイウィル)
奥出雲町・バイウィルと森林J-クレジットに関する連携協定締結 – 三機工業株式会社