Updated by 『森林循環経済』編集部 on February 14, 2026, 8:07 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
三井ホームと三井不動産は、福島県福島市の「桜の聖母学院小学校・中学校」において、木造2階建ての中学校校舎の増築を2月に竣工した。小中一貫の教育環境を整備し、文部科学省の指針に沿った新しい時代の学びを実現する施設づくりを目的とする。令和4年の建築基準法改正を背景に、耐火RC造の建物に準耐火木造建築物を増築した先進的な事例であり、木材の温かみと高い安全性を両立させた。
耐火RC造の建物に対して火熱遮断壁などを用いることで、準耐火木造建築物を増築する手法を採用した。これは建築基準法の改正によって実現したものであり、学校施設における木造化の可能性を広げる試みだ。

技術面では、三井ホームとして初めてSE構法と燃えしろ設計を導入した。これにより、大規模な空間においても耐震性や耐火性を確保しながら、柱や梁といった木の質感を意匠として活かしている。また、小学校と中学校を接続した2階の交流ホールにもふんだんに木材を使用し、生徒が木のぬくもりを身近に感じられる学習環境を創出した。


福島県産の木材を床材や壁材に積極的に活用することで、地域経済への寄与と環境教育の場としての機能を強化している。木材の使用量は371立方メートルに及び、炭素貯蔵量は二酸化炭素換算で294トンに達する。これは樹齢50年のスギ約583本分が吸収する炭素量に相当する規模だ。
地場産材の利活用は森林資源の循環を促すだけでなく、生徒たちが日常的に地域資源に触れることで、環境への意識を育むことにつながる。こうした建築を通じた環境貢献の可視化は、次世代を担う生徒たちが脱炭素社会の意義を学ぶための一助となる。同社は今後も、木造建築の普及を通じて脱炭素に貢献する方針だ。
■施設概要
建築地:福島県福島市花園町31番1 外9筆
建築主:学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダム
施設名称:桜の聖母学院小学校・中学校
設計監理:三井ホーム株式会社
施工:三井ホーム株式会社
敷地面積:8699.44平方メートル
建築面積増築:943.76平方メートル
延床面積増築:1466.13平方メートル
規模・構造:2階建て・木造軸組工法(SE構法)、一部RC造(小学校と中学校の接続部分)
工事工期:2025年5月~2026年2月