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学生の心身ケア施設「ウェルネス館」を木造で新設 津田塾大学と住友林業、キャンパス整備に脱炭素の視点も288

Updated by 『森林循環経済』編集部 on March 06, 2026, 3:03 PM JST

『森林循環経済』編集部

Forestcircularity-editor

プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。

津田塾大学と住友林業は、東京都小平市の小平キャンパスにおいて、木造平屋建ての新施設「ウェルネス館」の竣工式を3月5日に執り行った。住友林業が設計と施工を手がけており、学生の心身の健康増進と脱炭素への配慮を両立させている。構造材や内装に木材を多用することで、リラックス効果の高い空間を実現した。

103トンのCO2を固定

「ウェルネス館」は、同大学が進める「小平キャンパスマスタープラン」の一環として建設された。延床面積は約460平方メートルであり、在来軸組工法による木造平屋建ての構造を採用している。エントランスホールや多目的室には木目のデザインのほか、柱や梁を露出させる「現し」の手法を積極的に取り入れた。木目や木の香りが持つリラックス効果を活用することで、学生の不安やストレスを軽減し、自己成長を促す環境を整えている。

施設内には、医務室や相談室といったウェルネス・センターとしての機能に加え、公開講座などにも利用できる多目的室やメディテーションルームが配置された。さらに、誰もが安心して利用できるオールジェンダートイレも設置している。エントランスの庇部分にはCLT(直交集成板)を使用しており、耐火性を確保しつつ木の美しさを際立たせている。これらの設計は、単なる利便性の追求にとどまらず、利用者のウェルビーイングを最優先に考えたものだ。

エントランスホール
多目的室(村井記念ルーム)

建物全体での木材使用量は約127立方メートルにのぼり、約103トンのCO2を長期間にわたって固定する。木造建築は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して、建設時のCO2排出量を削減できるのがメリットだ。資材調達から建設、運用に至るライフサイクル全体を通じて脱炭素に寄与する。

また、周囲の豊かな緑や隣接する玉川上水の景観との調和も重視された。全ての開口部を森に面して配置することで、建物の中にいながら自然とのつながりを感じられる設計となっている。さらに、キャンパス内で長年風景の一部として親しまれてきた既存の樹木を、学生とのワークショップを通じてベンチやアートワークへと再生させた。過去の記憶を新しい施設へと継承する取り組みは、歴史ある大学の伝統を大切にする姿勢を象徴している。こうした木の魅力を最大限に引き出した空間は、これからの教育環境の在り方を示す一つの模範となるだろう。

■物件概要
工事名称:津田塾大学 小平キャンパスウェルネス館新築工事
所在地:東京都小平市津田町2-1-1
用途:大学(保健管理施設)
敷地面積:76543.22平方メートル
延床面積:460.17平方メートル(139.2坪)
構造・階数:木造平屋建て(在来軸組工法)、45分準耐火構造
高さ:約7.3m(最高高さ)
着工:2025年9月8日
竣工:2026年3月5日
利用開始:2026年3月下旬(予定)
基本計画・設計監理監修:株式会社安井建築設計事務所
設計・施工:住友林業株式会社

■参考リンク
ウェルネス館が竣工しました|津田塾大学
木造平屋建て 津田塾大学「ウェルネス館」竣工~学生の心身の健康と脱炭素に貢献~ | 住友林業

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