Updated by 『森林循環経済』編集部 on February 04, 2026, 9:15 AM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
山梨県甲斐市は、市内の未利用木材などを燃料とする木質バイオマス発電による再生可能エネルギーを、4月から市内の公共施設43か所に供給する。甲斐市、UPDATER、グリーン・サーマルの三者による「地産地消型電力供給に関する連携協定」に基づく取り組みだ。地域資源を活用したエネルギーの地産地消を推進し、年間約2,500トンのCO2排出削減と持続可能な脱炭素社会の実現を目指す。
甲斐市の本庁舎をはじめ、小中学校、図書館、保育園など計43の公共施設が対象となる。これらの施設で消費される年間約600万キロワット時の電力を、市内にある甲斐双葉発電所で発電された再生可能エネルギー由来の電力に置き換える。同発電所は、未利用木材や製材端材など年間約8万トンの木質バイオマス燃料を使用して稼働している。

この仕組みを支えるのは、自治体と民間企業による緊密な連携だ。発電所の運営を担うグリーン・サーマルが、地域由来の木質バイオマス燃料を活用して発電する。その電力を、独自のブロックチェーン技術で電源の透明性を確保するUPDATERが調達し、市へと供給する。このように、地域資源から生まれたエネルギーを市内の施設で消費することで、環境負荷の低減だけでなく、エネルギーを通じた経済の地域循環も期待されている。

甲斐市は、環境省の「脱炭素先行地域」に選定されており、2030年度までに民生部門における電力関連のCO2排出実質ゼロを掲げている。本協定を通じて、単なる電力の切り替えにとどまらず、環境教育の実施や地域資源の最大活用など、多角的な側面からゼロカーボンシティの実現を加速させる方針だ。
今後は、市内事業所や一般住宅への地域再生可能エネルギーの普及促進も視野に入れていくという。地域の電力を地域で支え、環境と経済を両立させながら次世代へつなぐ先駆的なモデルケースとして、その動向が注目される。

■供給発電所の概要
発電所名:甲斐双葉発電所
所在地:山梨県甲斐市
事業主体:DSグリーン発電甲斐合同会社
運営事業者:グリーン・サーマル株式会社(開発・燃料調達等を監修・支援、子会社がOMを担当)
発電方式:木質バイオマス発電
発電出力:6,950kW(一般家庭約1.3万世帯分)
年間稼働日数:24時間連続330日以上(30日程度の定期点検)
燃料使用量:年間約 80,000トン(240トン/日)
燃料の種類:未利用木質バイオマス(山林の間伐材など)、一般木質バイオマス(製材端材や河川流木、剪定枝など)