Updated by 『森林循環経済』編集部 on June 15, 2026, 7:36 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
日本の人工林や里山林が本格的な利用・更新期を迎えるなか、森林資源を「伐って、使って、植えて、育てる」という持続可能なサイクルに乗せる「森林資源循環」の重要性が増している。最新の森林・林業白書でも「木材利用と再造林をつなぐ」取り組みが焦点となるなか、民間ビジネスの現場でも新たな動きが次々と生まれている。大手文具・オフィス家具メーカーによる地域構想への参画、アウトドアプラットフォームを活用した薪の流通支援、リゾート地における地域材のライフサイクル構築、さらには特定樹種を核としたスタートアップの資金調達まで、森林と経済の循環を両立させる動きが活発化している。
林野庁は、国内の森林・林業をめぐる動向や施策の進捗を取りまとめた「令和7年度 森林・林業白書」を6月2日に公表した。今回は「森林資源の循環利用の確立に向けて~木材利用と再造林をつなぐ~」を特集。木材利用の拡大や持続性確保に必要な再造林の推進、双方を連動させる取り組みのほか、全国で街の木造化を進める「森の国・木の街」づくりなどを紹介し、森林資源の循環利用確立に向けた今後の方向性を示している。また、トピックスでは大阪・関西万博による木材利用の機運醸成や、地方創生に向けた「森業(もりぎょう)」の推進など、特徴的な動きを取り上げている。白書では、木材の消費を増やすだけでなく、その需要が確実な再造林へと連動する、川上から川下までが一体となって森林資源を循環させる重要性を示している。再造林を阻む大きな要因であるコスト課題に対しては、伐採と造林の一貫作業や、自動運転機械などの新技術を活用した「スマート林業」による省力化・低コスト化が推進されている。万博や街の木造化によって高まる木材活用への機運を、地域の林業を支える確かな経済循環へと繋げていくための具体的な実践が求められている。

※参考リンク
令和7年度 森林・林業白書を本日公表 | 林野庁
コクヨは、合板製造・内装材加工プロジェクト「(仮称)シンゴーハン」に4月から参画した。これは長野県木曽地域における森林資源の循環利用を通じて地域資源の有効活用と持続可能な経済循環の創出を目指す「木曽森林グランドサイクル構想」の中核事業だ。Tree to Green、ソルトターミナル、竹中工務店、丹青社の4社により設立されたツミカサネが推進する。廃校を活用した拠点で、これまで有効活用が難しかった小径木を原料とした高付加価値合板の製造・加工に取り組む。コクヨはメーカーとしての知見を活かし、建築・インテリア・家具分野における木材活用の可能性拡大や商品開発を推進する。これまで活かしきれなかった地域材の用途を広げて森林資源に新たな付加価値を与えることで、地域における資源循環の加速が期待される。

※参考リンク
コクヨ、「木曽森林グランドサイクル構想」の中核事業に参加 | コクヨ株式会社
キャンプ事業を手がけるR.projectは、キャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」において、薪の流通分断を解消する薪供給支援事業を6月より開始した。アウトドア需要の拡大に伴いキャンプ場での薪の消費量が増加する一方、地域の森林から発生する未利用間伐材が効率的に流通しにくく、薪として活用されにくいという課題があった。「なっぷ」のネットワークと予約データを活用して地域の薪生産者とキャンプ場を直接マッチングし、需要予測による物流の効率化や取引の標準化を通じた安定的な供給ルートを確立する。身近なアウトドア体験を通じて森林資源の地産地消と循環利用を促進する。

※参考リンク
薪流通の分断を解消し森林資源の循環利用を促進。「なっぷ」が薪供給支援事業を2026年6月開始 | 株式会社R.project
東急不動産は、長野県茅野市の「東急リゾートタウン蓼科」において、蓼科の森林で育ったカラマツを活用した循環型サイクル「蓼科カラマツ」プロジェクトを始動した。高度成長期に植林され過密化した森林の課題を解決するため、森林整備の過程で伐採されるカラマツ材を、建築資材や家具、アロマやお茶など、余すことなく活用する取り組みだ。局所的な木材利用にとどまらず、リゾートを起点とした森林資源の循環を創出することで、地域の自然環境保全と地域材の高付加価値化を後押しする。

※参考リンク
東急リゾートタウン蓼科で地域材を活用した循環型サイクル「蓼科カラマツ」を始動~森林課題を解決しながら、森と暮らしをつなぐ地域共創プロジェクト~ | 東急不動産株式会社
檜葉三百は、KKTを引受先とするシリーズAラウンドにおいて、総額6,000万円規模の資本提携を実施した。同社は、豊かな香りを持つ「青森ヒバ」に着目し、その特長を活かしたライフスタイルブランドの製品開発や販売を行っている。今回の調達資金は、主にブランドの基盤強化と地域経済への還元に充てられる。スプレー・シャンプー・入浴剤などウェルネス領域のプロダクト開発・改良を進めるとともに販売チャネルを拡大する。さらに、青森県大鰐町をはじめとする地域の活性化事業への投資も加速させる方針だ。あわせて、環境面では青森ヒバの端材やおが屑、樹皮などを無駄なく活用する「循環型サプライチェーン」の構築を進める。固有の森林資源が持つ文化的・経済的価値を最大化し、次の世代へ豊かな森をつなぐことで、“森と経済が継続的に循環するビジネスモデル”の確立を目指す。

※参考リンク
株式会社檜葉三百、シリーズAで総額6,000万円規模の資本提携を実施。青森ヒバを起点に“森と経済が循環する事業”を加速 | PR TIMES