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Updated by 『森林循環経済』編集部 on June 24, 2026, 6:55 PM JST
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プラチナ森林産業イニシアティブが推進する「ビジョン2050 日本が輝く、森林循環経済」の実現を目指します。森林資源のフル活用による脱炭素・経済安全保障強化・地方創生に向け、バイオマス化学の推進、まちの木造化・木質化の実現、林業の革新を後押しするアイデアや取り組みを発信します。
森林が有する多面的機能を発揮し、持続可能な林業を確立するために不可欠な「再造林」は、造林コストの上昇や担い手不足により、森林所有者や林業事業体だけでは容易ではない。林野庁は新たな「森林・林業基本計画」および「全国森林計画」の変更を公表し、「百年つづく『森の国・木の街』へ」というビジョンのもと、林業適地での確実な再造林やゾーニングの加速など、今後の森林・林業政策の方向性を示した。この方針に呼応するように、自治体・民間企業や森林保全団体との協定締結も相次いでいる。採算性の低下により手入れの行き届かなくなった山林の再生、震災や豪雨で甚大な被害を受けた地域における伝統的な林業の復興、多様な企業の参画を促す仕組みづくりなど、各地域で先進的な取り組みが始まっている。
「森林・林業基本計画」および「全国森林計画」の変更が6月5日に閣議決定された。新たな基本計画では、初の副題に「百年つづく森の国・木の街へ」を掲げ、豊かな森林と国力を百年先へつなげる姿勢を明確に打ち出した。背景には、環境に配慮した企業経営やウェルビーイングの観点からの木材利用への期待という追い風がある。一方、木材価格の低迷や担い手不足により森林の継続的な管理が困難となっていることや、再造林の停滞、鳥獣害の増加といった課題がある。新計画ではこれらを打破すべく、「林業・木材産業の成長」と「国民生活の安全・安心」を両輪に据えた。成長面では、国産材の需要創出やスマート林業の実装、林業適地への資源集中やゾーニングの推進による確実な再造林・情報共有・相互理解や合理的な価格形成によるサプライチェーンの構築、さらには森業を通じた山村地域の持続的発展を目指す。安全面では、治山対策の強化や生物多様性の保全、花粉の少ない森林への転換などを推進する。これに連動し、具体的な施業指針となる「全国森林計画」も変更された。伐採量や造林面積など各種計画量の見直しに加え、効率的な施業が可能な区域の設定による再造林を促進する施策、野生鳥獣や林野火災への対策強化などが新たに追加されている。


※参考リンク
「森林・林業基本計画」及び「全国森林計画」の変更について | 林野庁
栃木県茂木町と一般社団法人とちぎ百年の森をつくる会は、5月27日に「自然資本づくり連携協定」を締結した。同会は、自然再生や森林経営を担う青葉組およびForest Oneが連携して設立した法人で、企業の支援により30年以上の長期委託契約を前提として森林所有者に費用負担をかけず「伐採・植林・育林」を一貫して担う独自の体制を持つ。協定に基づき「茂木町自然資本ビジョン」を策定し、手入れの行き届かなくなった山林の集約化と整備に着手する。さらに、改正森林経営管理法に基づく「経営管理支援法人」の指定を目指し、所有者不明の森林調査や引き取りを進める方針だ。木材価格の低迷などによる山林の荒廃は防災や環境保全の観点からも深刻な課題であり、適切な維持管理と確実な再造林の重要性は極めて高い。今回の連携は、確実な再造林による持続的な木材供給やカーボンニュートラルへの貢献に加え、サシバやタガメなど全国的に減少が著しい希少生物が生息する豊かな里山において、湿地や草地の造成を含めた生態系の再生(ネイチャーポジティブ)も推進し、自然再生を起点に地域経済を活性化させる点に大きな特徴がある。

※参考リンク
茂木町と「自然資本づくり連携協定」を締結しました | 青葉組株式会社
2024年の能登半島地震と豪雨災害により、能登の森林環境は山腹崩壊・土砂流出等が100箇所以上、林道等が2000箇所以上、木材加工流通施設が30箇所以上に及ぶ未曽有の被害を受け、生産基盤そのものが大きく損なわれた。被災地の再造林と暮らしの再生に向け、輪島市、能登森林組合、一般社団法人more treesは、6月3日に「能登・ふるさと共創の森づくり」協定を締結した。地域の伝統文化や産業を支えてきた森林資源「アテ(能登ヒバ)」の持続的な利用や多様性のある森づくりの推進に加え、地域材の高付加価値化や関係人口の創出、そして実施に必要な人材の確保・育成を進める方針だ。輪島市の復興アドバイザーも務める建築家の隈研吾氏が代表を務めるmore treesの知見を活かし、既存の「創造的復興プラットフォーム(ATE-NET)」とも連携しながら、今後はさまざまな企業や団体の参画を促す。被災した森の再造林と人々の暮らしを持続可能なかたちで次世代へ引き継ぐための基盤を再構築し、能登の創造的復興を目指す。

※参考リンク
6月3日、輪島市・能登森林組合・more treesが 「能登・ふるさと共創の森づくり」協定を締結 | PR TIMES
奈良県天川村と大和ハウス工業は、「森林と共に暮らし続けられる山村づくり」の推進に関する包括連携協定を締結した。天川村は村面積の97%を森林が占める豊かな山村だが、木材価格の下落や需要の縮小に伴う採算性の低下から、森林所有者の管理停滞や継続的な再造林が困難になるなどの課題を抱えていた。大和ハウスグループは2055年までに全事業における木材調達に伴う「森林破壊ゼロ」を目標に掲げており、森林を地域資源として次世代につなぐという両者の方向性が一致し、今回の連携に至った。木質バイオマス等による地域産材の利用拡大といったこれまでの取り組みに加え、両者は林業分野へ就業意欲を持つ若い世代を対象に、将来的な移住を見据えた居住環境の整備や、関係人口の機会創出を目指す。森林の荒廃は、脱炭素への貢献度を低下させるだけでなく、土砂災害などのリスクを高めるなど防災面でも深刻な課題であり、適切な伐採と再造林による森林循環の再生が不可欠だ。

※参考リンク
「森林と共に暮らし続けられる山村づくり」の推進に関する包括連携協定を締結 | 大和ハウス工業株式会社
土砂災害が起こりにくい森づくりを手がけるソマノベースは、3月に東京・大手町で開催した「Forest Action Forum 2026」の開催レポートを公開した。企業による森林への関与を「守るだけのCSR」から「事業価値を創出するCSV(共通価値の創造)」へと転換することを目的に、非林業分野の実務者を中心に100名超が参加した。フォーラムでは、鉄道・建築・ITといった森林とは一見関わりの薄い異業種や林業会社など計4社が森林活用の最前線をピッチしたほか、TNFD開示や自然共生サイト認定、J-クレジット創出の支援を行う企業によるブース展示やワークショップが行われた。確実な再造林を持続させるためには、従来の林業の枠組みを超えた多様な主体の参画が不可欠となる。植林で完結する従来の社会貢献活動にとどめることなく、企業が明確な事業対象として森林を捉え直し、経済循環に組み込むことで、異業種との協働による新たな価値が創出され、結果としてそれが「確実な再造林」を持続させるための強固な基盤となることが期待される。


※参考リンク
【約100名が集結】企業の力で、森はもっと面白くなる。オープンイノベーションフォーラム「Forest Action Forum 2026」開催 | 株式会社ソマノベース